2018年3月26日(月)開催
≪ナレッジセミナー≫『孫子の兵法』に学ぶ、戦わずして勝つ企業経営
長尾 一洋氏
株式会社NIコンサルティング
代表取締役・中小企業診断士
約2500年の歴史を持つ『孫子の兵法』。古代中国で用いられただけはなく、日本では武田信玄が「風林火山」として取り入れたり、現在ではペンタゴンで研究されていると言われるなど、古今東西幅広く活用されている。そんな『孫子の兵法』を経営コンサルタントで孫子兵法家の長尾一洋氏が、現代ビジネスに役立つように意訳し、解説した。
≫会社経営で大切なことは、「潰れない」こと
『孫子の兵法』を一言で言えば「戦わない」ことを説いています。戦いに負けて、国が亡くなれば悲惨ですね。経営においても、「倒産」は、非常に苛烈です。みなさんの周りでも「倒産した」という話を聞いた方が、おられるのではないでしょうか。
私自身、長年経営コンサルタントをしている中で、どうしても「倒産」という場面に出会ってしまうことがあります。
一度、懇意にしていた社長さんに、痛ましい事件が起こってしまったという苦い記憶があります。
──だからこうした講演をする際には、「どうしても無理な場合、最終的には自己破産をしてください。生きてください」ということを伝えるようにしています。
そうならないためにも、無理な戦をして負けることがないよう「潰れない経営」をすることが大切なのです。必要であれば、会社を縮小したり、リストラを進めるなどして、生き残ることが重要だと言えます。
『孫子の兵法』的には、一時の感情で“戦(いくさ)”をしてはいけません。いくら国王から「戦争をしろ」と言われても、不要であれば諌めるのが優秀な将軍です。国が亡びれば、すべて終わりですから。
次ページ >>> 机上の空論であったとしても、「完璧なプランを立案する」ことが重要