産創館トピックス/講演録

《講演録》『孫子の兵法』に学ぶ、戦わずして勝つ企業経営【前編】

2018.05.04

≫机上の空論であったとしても、「完璧なプランを立案する」ことが重要

経営者の重要な仕事は、戦略を立案すること。つまり「完璧」な、事業計画を立案して、現場に落とし込むことです。いくら良いプランであっても、現場から猛反発を受けたら、それは現実的ではありません。

この「完璧なプラン」について語る時、「それは机上の空論です」という話になることがあります。私たちもコンサルタントも「机上の空論を話しているだけ」とよく言われますし、この講演に来ているみなさんも心の中では、そう思っておられる方がおられるかも知れません(笑)。

そうした発言には「企業経営という、非常に過酷で大変な現場で戦っている」という背景があるのではないでしょうか。しかし、私はそこで「では、机上の空論でもいいから、100%、120%勝てる計画を立ててください」と、伝えることにしています。

突き詰めて話をすると、実は「勝てるプラン、勝てる机上の空論」すら出てこないことが多い。「空論」ですら勝てないプランが、現実で勝てるわけがありません。だから「机上の空論」でもいいので、「勝てるプラン」を立案することをして欲しいと思います。

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株式会社NIコンサルティング

代表取締役

長尾 一洋氏

http://www.ni-consul.co.jp/

横浜市立大学商学部経営学科を卒業後、経営コンサルティング会社で営業指導、戦略策定、人事改革などを経験し、課長職を経て独立。1991年に㈱NIコンサルティングを設立し、中堅・中小企業の経営体質改善、営業力強化、人財育成などに取り組む。ITの活用にも積極的に取り組み、1998年から開発販売している「可視化経営システム」の導入企業は4800社を超える。2500年前から伝わる最強の兵法『孫子』の知恵を現代企業の経営に活かす孫子兵法家としても活動中。【ブログ】http://www.kazuhiro-nagao.com