ものづくり

《講演録》次の100年を考える「YANMAR」から学ぶ新たなエネルギー活用

2018.03.23

商品の柱となるガスヒートポンプエアコンとガスコージェネレーションシステム

ガスヒートポンプエアコン

今日は3つの柱の中から2つの商品を紹介します。ひとつは「ガスヒートポンプエアコン」。電力の負荷を平準化することを目的に開発され、昨年で30年を迎えた商品です。電気式のエアコンと違うのはコンプレッサを動かしているのがガスエンジンであること。一般的な電気式エアコンと比較すると消費電力は約10分の1になります。

メリットは電力料金の削減です。通常、電気の基本料金は過去一年を遡り、30分間でいちばん多く使った電力量をベースに設定されます。日頃から節電を心がけていても、たまたま一度だけ電気を使いすぎてしまうと以降それが基本料金の算定基準になるのです。消費電力が少ないガスヒートポンプエアコンはその料金を削減することができます。

近年ガスヒートポンプエアコンは公立の小中学校に導入されるようになりました。夏休みと冬休みの期間中に設けられた登校日だけに電力を多く使い、そのために基本料金が高くなる、そこに効果があるのがこの商品です。また、停電の際も起動可能な、バッテリーを搭載した機種もラインアップに加わりました。学校の体育館は災害時の避難拠点となりますので、万一の際にも空調ができるようにと導入されています。

ガスコージェネレーションシステム

もう一つの商品は「ガスコージェネレーションシステム」です。コージェネレーションシステム(以下、コージェネ)とは電気や熱、蒸気など2つ以上の異なったエネルギーを同時に発生させ、それぞれを有効に活用するシステムです。われわれが扱っているコージェネはエンジンで自家発電して、副産物として得られる熱を主にお湯、蒸気といったものに利用し、トータルでエネルギーコストを下げることを目的としています。

コージェネを使わない場合と使った場合を比較すると、前者はエネルギーの利用効率が約52%、後者は約75%になり、約30%のCO2削減につながるというデータもあります。コージェネは病院やホテル、デパート、事務所ビル、各種工場など幅広い用途に使われています。

このようにエネルギーを有効活用することは経済性、省エネ性の向上につながります。2011年の震災以降には災害時の電源確保になる点も大きくクローズアップされています。エネルギーの削減は国も推進していますので、コージェネの採用で税制の優遇や補助金制度も受けられます。

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ヤンマーエネルギーシステム株式会社

営業統括部 空調システム営業部

足岡 猛氏

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