【SPECIAL INTERVIEW】 未来の日本にのこしたい「いい会社」に投資する、新しい金融のカタチ
既存の金融機関に頼らず、公募の投資信託を設定・運用し、直接販売する金融ベンチャー企業、鎌倉投信株式会社。
これからの日本に必要とされる「いい会社」に投資するという独自の運用スタイルが、「財テクなんてやったことがなかった」という未経験者からも厚く支持されている。
未来の日本に想いを馳せながら、「つながりある金融」を鎌田社長は真摯に求め続ける。
元外資系の金融マンたちが起ち上げた金融ベンチャー
リーマンショック直後の2008年11月、私を含む4人のメンバーで「鎌倉投信」を設立しました。メンバーは皆、大手金融機関の出身。私も財閥系信託銀行から外資系資産運用会社へとわたり、計20年間、金融業界にいました。でも次第に、投資して事業を育てるのではなく、お金でお金を増やすという考え方が金融業界に蔓延し、「もう自分の求める金融ではない」と感じるようになったんです
2008年1月に退職。実は以前から、いつかは草の根の社会貢献活動がしたいと思っていたんですね。そこで、違う畑に転職したり、自分がプレイヤーになったりするより、「すでに頑張っている人や企業を自分が経験として培った金融という枠組みで応援すれば、より幅広い社会貢献につながるのでは」という考えをもって、他の創業メンバー3人に声をかけたんです。
社会に役立つ金融のカタチとはどのようなものか。日本の素晴らしい会社を応援する枠組みをつくり、一般の人のお金を束ねることで「いい会社」を応援することができないか。創業メンバーが議論を重ねた結果生まれたのが、1口1万円から投資ができ、長期間保有し続けることが可能な無期限の公募型投資信託「結い 2101(ゆいにいいちぜろいち)」です。
3つの「わ」(和・話・輪)を実現する鎌倉の地
鎌倉投信には、「つながりのある金融のカタチをつくりたい」という思いがあり、3つの「わ」(和・話・輪)を育む『場』をつくる、を信条としています。鎌倉にある築約85年の日本家屋を改装した本社屋には、いろんな人が集まってきます。ここで人々がさまざまな話をしてつながる。そこからさらに広がっていく輪をつくっていきたい。
この思いを伝える「場」として、自然・伝統・文化だけでなく革新性も併せ持つ鎌倉という土地は、鎌倉投信の船出に最適だと思いました。鎌倉投信のめざすブランドづくりや、業界での立ち位置を示すためにもふさわしい場所です。地理的にも空間的にも、すべてに整合性があれば、それだけで説得力があります。
いまでは、鎌倉にある本社は、人や情報が自然に集まり、つながる「場」に育っています。
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