《講演録》営業会社から注目スタートアップ企業へ!akippaのビジネス展開&資金調達ストーリー【後編】
《講演録》2019年12月13日(金)開催
【起業STEP UPフェスタ2019 一番気になる!? 起業とマネーDAY】
営業会社から注目スタートアップ企業へ!akippaのビジネス展開&資金調達ストーリー
金谷 元気氏(akippa株式会社 代表取締役社長CEO)
全国33,000拠点を有する駐車場シェアリングサービスのakippa株式会社は、創業当初は通信機器の営業会社であった。プロのサッカー選手をめざしていた金谷元気氏が、商売に目覚め、創業し、事業を転換し、ベンチャーキャピタルや事業会社からの資金調達を実現していった経緯について語った。
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《講演録》営業会社から注目スタートアップ企業へ!akippaのビジネス展開&資金調達ストーリー【前編】
▶“なくてはならぬ”をつくるために、まずは社内で困りごとアイディア募集
そんな時、停電を経験しました。携帯電話を充電したりテレビを見たりすることもできなくなりました。電気のありがたみを実感し、電気のようにないと困るものを作りたいと実感し、その翌日に「“なくてはならぬ”をつくる」という経営理念を打ち立てました。
「“なくてはならぬ”をつくる」ということは、すなわち世の中の困りごとを解決するということです。アイディアを募るために社員全員から普段の生活の中で困っていることを挙げてもらいました。
合計200のアイディアのうちの一つが「現地についてからコインパーキングが満車と知るから困る」でした。
ある女性社員が阪神タイガースの試合観戦に車で出かけた際に、球場周辺のコインパーキングがどこも満車でなかなか駐車できず、おかげで試合開始に遅れてしまった、というエピソードに基づいたものです。
調べてみると、日本全国にはコインパーキングは470万台分ありますが、車は8,000万台もあり、駐車スペースが見つからずに路上駐車しているドライバーが多いということがわかりました。
一方で、月極駐車場や個人宅の駐車場は3,000万台分の空きスペースがあることもわかりました。
車利用者が多いと見込まれるエリア内の空きスペースでも、大通り沿いではなく裏通りや入り組んだ路地にあると、コインパーキング用の設備投資をしても回収が見込めないために放置されていました。
そこでこれらの空きスペースと駐車場を探しているドライバーを結びつけるという仕組みを思いつきました。
早速、大阪市内のコワーキングスペースに赴き、フリーエンジニアの方に声をかけ、手書きのスマートフォンアプリの操作イメージを見せながらアプリ開発に協力してくれる方を探しました。それも密なコミュニケーションの下で開発していただけるよう、弊社オフィス内での作業をお願いしました。
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