【ロングインタビュー】大阪ならではの「笑える蛇口」が、知名度も技術力も高めてくれた
使う人がアッと驚き、クスッと笑える形をした蛇口シリーズで会社の知名度を上げた。笑わせるためには、どんな難しい形も技術を磨いて実現。国産にこだわり、海外製に勝ちたいという野望を持っている。
―「Da Reya(ダレヤ)」シリーズの製品にはどのようなものがありますか?
「誰や!ホースの先踏んでんのん?」「誰や!メタボにしたん?」「誰や!逆立ちさせたん?」など、通常の蛇口の形が一部変わっているもの。また、「びよ~ん」「だら~ん」「ぷいっ」など、蛇口がまるで生きているかのように、感情や動きを表す形のものなどがあります。
変わりどころでは、やかんがそのままついているものや、手裏剣をひねると水が出るものもあります。「Da Reya」の多くはJIS規格に準拠していて、れっきとした工業製品。機能的にはきちんとした「蛇口」です。
―なぜ、このような変わった蛇口を生み出されたのでしょう。
自社のブランドを確立したいという思いからです。水道用品の国内市場は大手2社がシェア9割を占めており、デザイン面ではヨーロッパの製品が高い認知度を誇っています。我々のような小さなメーカーが指名買いされるようなブランドを作るためには、どうすればいいのか。ずっと考えて、「お笑い」に行きつきました。
―「お笑い」ですか?
「おもしろい」という感覚は、個人の好みや性別、年代、流行、出身などにとらわれず、共通しているのではないかと考えたのです。大阪発のメーカーという自負もあります。
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株式会社カクダイ
代表取締役副社長
多田 修三氏
事業内容:水道用品の製造・販売・輸出入を行う創業136年の老舗企業。いわゆる普通の「水道」「蛇口」から伝統工芸品とコラボしたものや笑える蛇口まで広く取り扱う。