《講演録》フェムテック 流行のその先へ 未来を創る新産業
【第二部】michi kake (ミチカケ)の取組み紹介
〈講演〉株式会社大丸松坂屋百貨店 大丸 大阪・梅田店 michi kake 澤井氏・高橋氏
大丸梅田店5階フロアにあるmichi kake(ミチカケ)は、女性のさまざまなリズムに寄り添う「フェムテック」や「フェムケア」といったアイテムを扱う店舗が集まるゾーンで、2周年を迎える。
まずは、営業推進部マネージャーの澤井氏が、「既存の取り扱いアイテムを超えたカテゴリ開発という全社課題があるなかで、お客様にわざわざ足を運んでいただける特徴的な売場づくりが必要だと考えました。そこで、多くの女性が心の隙間に抱えてきた生理や性に関する悩みを和らげ、女性の内面にも寄り添える売場をつくりました」と、michi kakeの立ち上げについて説明。
続いて、「フェムテックアイテムは女性の健康課題を解決するツールの一つ。簡単に暮らしに取り入れられるものだということを、多くの方に伝える役目がmichi kakeにはある」と話す売場責任者の高橋氏が、吸収ショーツや基礎体温測定器をPRするイベントや、テーマ別に暮らしに取り入れやすいアイテムを紹介するPOPUPなどを開いて、フェムテックアイテムが手にとりやすい環境にしていると話し、ECストアの拡大やSNSの発信といった取り組みも紹介した。
また、女性の健康課題にどんなものがあり、悩みは相談していいことだと気づいてもらうための世代を問わないセミナーや、性教育や生理の啓蒙イベントなどを数多く開催するmichi kake。
今後の展開としては、「キレイになりたい」「おしゃれをしたい」というニーズに応えるアイテムのほか、女性のデリケートな悩みや不安に向き合うためのアイテムも取り揃える、常設ショップとして継続していきたいと話した。
澤井裕之氏(株式会社大丸松坂屋百貨店 大丸 大阪・梅田店 営業推進部マネジャー)
2010年に株式会社大丸松坂屋百貨店に入社。食品や婦人洋品を担当した後、2017年に5階婦人服「うふふガールズ」のサブマネジャーに就任、2019年に販売促進担当に。
髙橋知世氏(株式会社大丸松坂屋百貨店 大丸 大阪・梅田店 婦人服・michi kake担当)
2006年5月に派遣社員として大丸梅田店に配属。その後、婦人靴リーダー着任後16年正社員になり、婦人洋品を担当後、19年に5階サブマネージャーとしてmichi kake立ち上げに携わる。
michi kake(ミチカケ)とは
「月のみちかけのように、あなたのリズムに寄り添う」をコンセプトにした16ショップ(※)からなるゾーンです。※2021年10月7日現在
女性特有の“からだ”や“こころ”のリズムを古来より月のみちかけに準えて表現することがあります。「キレイになりたい」「おしゃれをしたい」というニーズと同様に「生理」や「性」など、今までは口には出しづらかった女性のさまざまなリズムに寄り添える“フェムテック”や“フェムケア”といったアイテムも取り揃えたゾーンがmichi kakeです。