《講演録》社運を賭けた単品勝負戦略!〜八天堂のくりーむパンを愛され続ける商品にするまで〜【前編】

《講演録》2019年11月6日(水)開催
【トークライブ!】社運を賭けた単品勝負戦略!
〜八天堂のくりーむパンを愛され続ける商品にするまで〜

株式会社八天堂 代表取締役 森光 孝雅氏

駅の構内や百貨店で目にすることの多い「八天堂のくりーむパン」。昭和8年創業の八天堂は、現在全国に店舗を構え、さらにはアジアを中心とした海外展開も積極的に行っている。一時は倒産の危機も経験した森光孝雅氏が、「くりーむパン」を生みだすまでの経緯と、その中で生じた経営者としての考え方の変化について語った。

 
♦人づくりを重視する八天堂

当社の経営理念は、『良い品、良い人、良い会社つくり』であり、「あなたに出会えてよかった」といってもらえる人材を育てていくことに力を注いでいます。

2019年3月には、人を大切にする経営学会より「第9回 日本でいちばん大切にしたい会社 大賞 審査委員会特別賞受賞」をいただきました。まだまだたくさんの課題を抱え道半ばではありますが、日本の中小企業の旗振り役の一社として頑張っていきたいと思っています。

とはいえ、ここに至るまでは非常に長い道のりでした。

 
♦26歳でパン屋を開業、コンビニのない時代に早朝から大盛況

八天堂は私の祖父が和菓子屋として広島県三原市で創業しました。二代目の父が洋菓子を取り入れ、三代目の私がパン販売店に切り替え、今年で創業86年になります。

私は今55歳ですが、神戸の名店フロインドリーブで修業した後、26歳のときに三原市に戻りました。開業資金の融資を受けようと、事業計画ももたずに銀行へ行ってしまうくらい、経営について何も知らない状態で第一歩を踏み出したのです。

税理士の先生にご協力いただき、無事に銀行から1,500万円の融資を受け、親の洋菓子店とは少し離れた場所に店を構えました。平成2年当時の金利は7.9%、1日あたり客数100人・客単価600円いかないと返済できない見込みで、かなりの不安を抱えながらパン屋を開業しました。三原市は10万人足らずの町で、景気のよかった時でも1日100人来るようなお店はありませんでしたから。

新聞配達員さんからの要望をきっかけに早朝営業を開始したのが功を奏しました。当時は周辺にコンビニはなく、夜勤上がりの方や早朝のレジャー客がこぞってうちの店を利用してくれたのです。焼いても焼いてもパンの数が追い付かず、焼き立てを鉄板のまま店内に並べるような状態でした。

開業から5、6年の間は非常に繁盛して利益もたくさん出ました。どうせなら日本一のパン屋をやろうと、その資金で機械設備を整え、完全週休2日制や表彰制度を設けたり、社員旅行にいったりと、内部環境も充実させました。

 

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2019年12月27日
株式会社八天堂
代表取締役  
森光 孝雅氏
事業内容/一品事業、EC事業、カフェリエ事業、海外事業

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