《講演録》キーエンスに学ぶ “高収益体質” 経営のメソッド [3]

《講演録》2019年3月25日(月) 開催
【ナレッジセミナー】キーエンスに学ぶ “高収益体質” 経営のメソッド

田尻 望氏
株式会社カクシン 代表取締役
一般社団法人Key to Innovation 理事

55.6%という驚異の利益率を誇る会社、キーエンス。平均年収2,000万円以上という異例の高待遇につながる高収益体制を生み出す秘密とは?
キーエンスに4年半勤務後独立、その後、独立直後に事業の失敗を経験し、外食系オーナー企業で1から事業立上を経験し、現在経営コンサルタントとして活躍する田尻望氏が、高収益化のキーとなるポイントを3回に分けて解き明かします。

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《講演録》キーエンスに学ぶ “高収益体質” 経営のメソッド [1]
《講演録》キーエンスに学ぶ “高収益体質” 経営のメソッド [2]

 
>>> 70%が世界初(業界初)!

最後は、商品についてです。ここでも「ニーズ」がポイントになります。なぜなら、営業から「ニーズカード(深いニーズ)」が商品企画に渡されることからも、新商品の企画がスタートするからです。

商品企画の方々は、元営業の方が多く、現場のことをとてもよく知っているのです。“製品を通じて世の中のありようを変えたい”と言っているキーエンスにおいては、商品企画はまさに本丸の部署です。

お客様も気付いていないニーズを、商品企画の方が、現場をイメージしながら、まだ解決できてない現場のニーズを、競合とも差別化し、売り方までイメージしながら企画するため、キーエンスの新製品は70%が世界初(または業界初)になります。

もちろん世界初=即商品化ではなく、厳しい承認プロセスをクリアした企画だけが商品化へと進められています。

 
>>> 商品の付加価値こそが利益の源泉

“値決めが命”とはよく言いますが、値決めについてしっかりと考えている会社はほぼない、と思ったのは独立した後でした。市場分析、競合分析等の話ではなく、“付加価値ベースの価格“なのか?”コストベースの価格“なのか?というお話です。

多くの会社が後者をとっています。このパラダイム(価値観)にいると、利益率は絶対に上がりません。なぜなら、コストベースというのは、顧客を意識していない状態だからです。

顧客の得る価値にフォーカスすることができれば、価格を変更可能なポイントが必ず見えてきます。そして、最終的に商品価格を決定する時は、原価や粗利ではなく、製品がお客様にもたらす付加価値をもとに価格設定をするのです。

これが、難しいのですが、これを可能にするのもコンサルティングセールスだと思っています。顧客のニーズとそのニーズを解決する価値がわかれば、価格についても提示の仕方が見えてきます。

 
最後になりましたが、私が思う“最初の取組み”として最も効果的だと思うのは、“コンサルティングセールス”の育成と“自社内の見える化”です。

今までお話ししたようにコンサルティングセールスは、利益の源泉である付加価値を生み出す「ニーズの裏のニーズ」をつかみ「何がムダか?」を知るための重要な鍵です。

そして、自社内の見える化とは、商品・組織・組織の中の個人・各々の特徴と自社内の利点を深く知ることです。この2つを実践すれば、必ず売れるもの、世に必要とされるものが見えてくるはずです。

どちらが先か?と言われれば、“コンサルティングセールス”だと思います。自社を知るために他社を知る。他社を知って、自社を見える化すれば、これから進むべき道は見えてくる。そう思うからです。

拙いお話しでしたが、お聞きいただき有り難うございました。

(文/ 松尾優子)

 
田尻 望氏(株式会社カクシン 代表取締役、一般社団法人Key to Innovation 理事)
京都府生まれ。大阪大学基礎工学部情報科学科卒業。大学卒業後、株式会社キーエンスにて、国内・国外の販売促進担当として活躍。同社を退社・独立後、始めた事業を自らの甘さから1年で撤退。その後、研修会社を立ち上げ、4年でクライアント50社以上に貢献。現在は年商30億円以上の企業に対して、長期的な成長経営を続けてゆくための人財育成構造の提供、戦略コンサルティングを行っている。類まれなるスキルと分析力、提案力により、多くの会社の利益化および人材定着に貢献している。

2019年06月24日
株式会社カクシン
代表取締役  
田尻 望

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