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高卒就活の常識を変えたい!高校生の仕事や働き方の多様性拡大に挑戦

2020.10.08

 
子どもの頃から学校が大好きで、学級委員や生徒会に毎年参加していた。一方で高校時代は偏差値に当てはめていい大学をめざすという進路の選び方に違和感があった。

だからこそ「生徒の個性に合わせた進路の選び方に寄り添える教員になろう」と進学、しかしすぐに教員の道には進まず、まずは企業で働く世界を経験しておこうと楽天株式会社に入社した。

 
楽天市場の担当として出会うさまざまなネットショップのオーナーや店長は、学歴に関係なく、人間的に魅力を感じる人が多かった。

また、赤ちゃんのいる専業主婦が在宅でみるみる売上を伸ばす事例を目の当たりにし、「ネット一つで働き方や稼ぎ方が変わるとすごく感じて。これまでの進路の選び方はこれからの時代に合わない。変えていかなくては」と高校生の進路指導に関わるため退職。

偶然見つけた大阪の公立高校のキャリアコンサルタント求人に応募し、東京から縁もゆかりもない大阪へ飛び込んだ。

 

代表取締役 吉田優子氏。自由な生き方がしたかったから起業も選択肢のひとつだった。二児の母として仕事と子育ての両立を工夫しながら活動を行っている。

 
高校では生徒の大学選びのサポートをするものと思っていたが、100名近くが就職を希望。高卒就職という選択肢に初めて接することになる。

「写真もない文字だけの紙の求人票だけで選ばないといけないし、1人1社しか応募できない制度に愕然としました」。

1年間、無我夢中で就職指導を行ったが、その春に就職したはずの生徒が1ヵ月ほどで離職したことを知りショックを受ける。

その時の「仕事選びの段階でのアドバイスや次の仕事を探すスキルを身につけておくなど、もっとできることがあったのでは」という想いが現在の高校生の就活マッチングサービスへとつながっていった。

 

 
その後はキャリアコンサルタントとして他校でも進路指導を行うようになる。同時にいろいろなビジネスコンテストへ挑戦した。

「高校生の就職の問題を解決するためのサービスを打ち立てたいけれど、ビジネスとして成立するには何が足りないのか知りたくて」。

 

「起業時はニッチに」というビジコン審査員やセミナー講師のアドバイスをもとに、企業の採用担当者が高校生の採用に役立つ情報をブログで発信したことがきっかけで、法人向けセミナーの講師としても活動している。

 
ビジネスコンテストの観覧も行い、審査員のアドバイスを聞きながら、自分のプランをブラッシュアップしていった。

2019年の女性起業家応援プロジェクト「LED関西」での受賞を機に、行政や大手企業、金融機関との連携やサポートを受け、ビジネスとして加速していく。

 

ビジネスコンテスト「Japan Challenge Gate」では経済産業大臣賞を受賞。

 
また、「社会を変えていく」という同じ志の仲間とも出会え、アドバイスを得られるようになった。

現在、高校生のインターンシップの申込みプラットホームを作っている。コロナの影響で延期になったが、来年春と夏に実施する予定だ。

「1人複数社に応募できる民間の就活モデルです。高校生がインターンシップを通して働くイメージを明確にできれば、就職先選びや進学先選びに意志を持って取り組めるようになる。働き方や学び方の多様性によって、みんながハッピーになれる社会をめざしていきたい」と志を胸にこれからも歩んでいく。

 

4名いるスタッフはアッテミーのビジョンに共感する10代~20代の大学生や60代の元高校の就職担当教員。それぞれの時間に合わせた働き方をしている。

 
▶ 起業をめざしている人へ
目標に向かって歩めば同じ志の人と出会えます!

 
(取材・文/北浦あかね 写真/内山光)

株式会社アッテミー

代表取締役

吉田 優子氏

https://atteme.com/

事業内容/高校生の就活マッチングサービスの提供