ものづくり

《講演録》夢は自動車メーカーの立ち上げ!電動バイクメーカーの挑戦

2019.09.13

■ 着想から製品化に至る上での困難とクラウドファンディングでの成功

日本の自動車メーカーに共通していることが、自転車にエンジンをつけた自転車バイクからスタートしていたことだと気づき、それをヒントに我々も二輪からスタートしてみようと考えを転換しました。

自転車バイクは昔「バタバタ」や「ペケペケ」と呼ばれていましたが、それを私たちは「ハイブリットバイク」と名付けて売り出すことにしました。

 
ハイブリットバイク「GFR-01」を出すことに決まったその矢先、為替と中国の材料費の高騰のダブルパンチをくらってしまいます。次に進むべきか悩みましたが、判断材料としてクラウドファンディングにチャレンジする決意をしました。

2015年から製作にとりかかり、翌年の8月にプロトタイプ初号機が完成。クラウドファンディングを開始する2017年の5月までの10カ月間で試作機のムービーを作り、自ら搭乗してアピールするなど準備を整えました。

 
そしていざ始まると、開始2時間足らずで売り上げが300万円を超え、最初に用意していた400台が3日足らずで完売してしまいました。

毎日電話が鳴りやまず順調すぎるぐらいでしたが、クラウドファンディングはあくまでスタートにすぎないと思い、次の展開が必要だと考えていました。今後も売り続けていくためには新たな販売ネットワークが不可欠だと考え、その相手がオートバックスさんでした。

私は早速、クラウドファンディングで1,000台が売り切れたタイミングで、アポなしで東京に出向きオートバックスセブンの小林喜夫巳社長にお会いします。その場で全店舗で取り扱うことを即決してもらうことができ、クラウンドファンティングの成功とともに展開していくルートが決まりました。

■ glafitが目指すもの

2017年10月に全国のオートバックスでglafitバイク「GFR-01」の出荷を開始、もうすぐ出荷累計4,000台に到達します。電動バイクのくくりでいえば大手メーカーでも年間500台ほどしか売れていないので、業界トップと言えるかもしれません。

 
多様化の時代といわれる昨今、ライフスタイルも多様化しています。ならば移動スタイルも多様化してもいいのではないでしょうか。

自分たちはそんな想いから自転車とバイクの間のハイブリットバイクを日本で普及させようとクラウドファンティングに挑みました。

 
制限速度を含めて法律を根本的に見直してもらうなど、私たちが提案できることはまだまだ無限にあります。

人々が笑顔になる移動自体が楽しくなるような乗り物を考え、通勤や旅先の移動など普段のチョイノリに「ワクワク」を増やしたいと思っています。そして最終的にはホンダさんに負けないような21世紀の乗り物メーカーになれるよう邁進していきたいと思っています。(文/川野学志)

 
鳴海 禎造氏(glafit株式会社 CEO)
【略歴】高校在学中より、自分で商材を見つけ利益を出すことに注力し、18歳ではオリジナルPCの受注生産を開始。その後自動車の中古パーツ販売やオリジナル商材を手掛け、22歳で個人事業としてカーショップ「RMガレージ」を起業。順調に収益を伸ばし、株式会社FINE TRADING JAPANを設立、中国への進出を果たす。2017年には電動バイク「glafit(グラフィット)GFR-01」のクラウドファンディングを開始。3か月で資金調達額(約1億2800万円)最高記録を達成する。

【株式会社glafit】
2012年 glafitバイク「GFR-01」の構想開始
2016年 glafitバイク「GFR-01」プロトタイプ初号機完成
2017年5月 Makuakeにてglafitバイク「GFR-01」のクラウドファンディングを開始
2017年8月 Makuakeにて128,004,810円を調達。
クラウドファンディングの資金調達額として日本最高記録を樹立
※クラウドファンディング比較サービス「ランクラウド」調べ
2017年9月 glafit株式会社を設立
2017年10月 全国のスーパーオートバックスでglafitバイク「GFR-01」の一般予約販売開
2018年1月 「2017年日経優秀製品・サービス賞 最優秀賞 日経MJ賞」を受賞
2018年10月 「2018年度GOOD DESIGN賞」受賞
2019年1月 ヤマハ発動機と資本業務提携締結・次世代モデルの開発着手

誌面で紹介した記事はコチラ>>>1億円超の「共感」とともに、夢へ挑む

glafit株式会社

代表取締役

鳴海 禎造氏

https://glafit.com/

事業内容/電動バイクの製造・販売