Bplatz press

この技が無ければ再現できなかった~鉄道模型メーカー社長とプレス職人がタッグを組んだ「超精密模型」

2020.09.24

[参加者]
淵 悠真氏(株式会社Tabuchi Train Models 代表)
水 建二氏(株式会社豊里金属工業 代表取締役社長)
椋 雄一氏(株式会社豊里金属工業 営業)

超精密な鉄道模型を製造・販売する株式会社Tabuchi Train Modelsの田淵氏と、その車体の製作を行った株式会社豊里金属工業の岩水氏、そして窓口となった小椋氏。田淵氏のリアリティを求める熱意が2人の心を動かした。今回はその3人に車体が完成に至るまでを、大阪産業創造館ものづくり支援チームプランナーの口が聞きました。

 
―――――――阪急電車を選んだ理由

【江口】なぜ阪急電車なのでしょうか?

【田淵】高槻が地元で、阪急になじみがあって。今回つくった車両は古い電車なので模型がありませんでした。電車って、博物館に行くもの以外は全てスクラップになってしまうので、編成全部を保存するとなるとほとんどできません。でも模型だったら、それができる。無くなったとしても、再現度の高い模型があれば、昔を思い出せる。

模型の場合は新しい型をつくるのが大変なので、既存の車両を組み合わせた編成になってしまうことが多く、メーカーが製品化する場合は編成が整っている電車の方が製品ラインナップにしやすいんですが、バリエーションが多いものの方が好きな方が多いですね。

 
―――――――製品の魅力とは

【江口】こういった超精密な模型を購入される方はどういう部分に魅力を感じて購入し、どういうことがあったら嬉しいんでしょうか。

【田淵】見たこともないゼロ戦のキットをリリースされているタミヤがゼロ戦を作っているのは何か理由があるな、と思って自分なりに調べてみました。すると、やはりそこには飛行機の線形が綺麗だとか、電車の屋根のカーブがすごくいいとか、そういうものを自分で組み立ててしっかり表現したいと思ってくださる方がいることがわかって。そういったこだわりの強い方がうちの製品を買ってくださっているんですよね。

【小椋】超精密だとやっぱりそれは「キット」として販売されていないと、自分で一から再現するのは難しいですよね。

【田淵】大手の模型メーカーはどうしてもコストがかかってしまうので、型を使いまわしてしまいます。細かい部分を省略してしまうので、車両の微妙なカーブであるとか、水切り部分の曲げは絶対に表現できません。そこを再現して楽しみたい方にうちのキットは購入して頂ける。

【岩水】やはりディティールが一番のウリだってことだよね。今回の製品でも窓枠だってこだわっているしね。

【田淵】そうなんです。ドアの周りのステンレスの板とか、実物と比べてちょっと尖っていると、実物とは違うという指摘も頂きます。そういうところって結構気になるんですよね。

 

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株式会社Tabuchi Train Models 代表 田淵悠真氏
株式会社豊里金属工業 代表取締役社長 岩水建二氏、営業 小椋雄一氏