口臭予防のディスペンサー 狙うは医療市場
口の中を洗浄し、口臭も防ぐ「マウスウォッシュ」。日本では家庭で使われるのが一般的だが、これをオフィスや施設向けに広く浸透させようと、企画・開発を行うYOSAGE(ヨサゲ)が商品化したのが「くちピカ」だ。「これまでもホテルや飲食店などで、エチケットとしてボトル式などの商品が置かれることはあったのですが、難点は衛生面や盗まれること」と中西氏。
情報収集するうち、韓国には壁に据え付けるディスペンサータイプの商品があることを知った。専用ボトルをカギのかかるふたの内部にセットし、ワンプッシュで紙コップに注ぐ方式だ。
ただ問題は、洗浄液の“味”。日本人の口に合うように、市販されている約30種類の「マウスウォッシュ」を集め、老若男女幅広くモニターになってもらい“ 嗜好”を調べた。「男女や、世代で好みが分かれるため、調合の按配が難しかった」と振り返る。
今年3月に発売。代理店を通じ、営業担当者の多い会社のオフィス、商業施設、エステサロン、ホテル向けに実績を増やしている。そして中西氏が新たにターゲットとして狙うのが医療機関だ。
「患者と接する医師や看護師からニーズがある。医療機関は代理店にとってこれまできっかけのつかみにくい営業先だった。くちピカが突破口となって他の商品販売にもつなげられる。もちろん当社にとっても医療機関のニーズを知ることで、新たな商品開発のアイデアをつかみたい」と、強い商品力に期待をかけている。
▲女性トイレのスペックにこだわる百貨店などの集客施設での利用が期待される。
壁にも据え付け可能。
▲デザインもシンプルに。
ユーザーは紙コップを取るところから注ぐまですべて片手だけで操作できるようになっている。
▲代表 中西 順次氏
(取材・文/山口裕史)