半永久的に悪臭を除き、抗菌作用もある糸
暮らしの中で、イヤな臭いはあちこちに存在する。臭いの成分は何十億という細かい分子になり、周囲の物質に絡みつく。
エルムジャパンが手がける「ELMPLUS®(エルムプラス)」の特長は、複数組み合わせた無機鉱石類が触媒となり、臭いの分子構造を変化させ、臭わない物質にして放出するサイクル消臭。例えば、4大悪臭のうちの一つであるアンモニアの化学式はNH3。N(窒素)、H・H2(水素)に分解すれば無臭になる。
粉体であるELMPLUSは樹脂と混ぜ表面処理剤として使用する。天井や壁に塗布し、上海交通大学医学院の解剖室のホルムアルデヒドの消臭に用いられたことも。また、靴のインソールやマスク、フロアマット、ゴミ袋など多方面で活用されている。
さらに、ポリエステルやアクリル、レーヨンなどの化繊に練り込み、生み出したのが消臭糸「ELMY®」だ。開発当初は機能材の粒子が粗く繊維向きではなかった。「平均粒度58nmまで細かくナノ化することで無色に近づき、細い糸にしても樹脂に埋もれることなく機能を発揮できるようになりました」と上埜氏。
半永久的な消臭作用以外に、抗菌、抗カビ、防ダニ、抗アレルゲン作用も。国内・海外の外部検査機関による性能面での有用性はもとより、日本食品分析センターで人体への無害性も検査済だ。
「アメリカの検査機関でのパッチテストにも合格しているので肌に触れても問題はありません」と、人と接触するあらゆる製品への展開に向けて期待をかける。
(文・写真/衛藤真奈実)
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