熱い魂が伝播する中小企業応援サイト

熱い魂が伝播する中小企業応援サイト

【ロングインタビュー】ないならつくる、母としてのニーズが原動力「日本の心と英語の力」を育てるプリスクール

201412_kinderkids_long_04

―経営者としての最初の転機は?

人を雇うようになって、仕事を任せるようになったことでしょうか。それまで、保護者便りまで全部自分で書いていたんです。何もかも自分でやらないと気が済まない。だから、任せることは勇気が要ったんです。でも一旦、手放してみたら、みんな私なんかより、よっぽどいい仕事をするんですよ。そのことがわかったことが、1つめの転機ですね。

でも創業から新規校の立ち上げが続いて、ずっとお金がない状態でした。1校立ち上げるとなると4~5000万円くらいの投資が必要になるんです。最初の5、6年は時間もお金も本当に足りなくて、仕事の後にのんびりコーヒーなんか飲んでたら、罰が当たるとさえ思っていました(笑)。

10年ほどすると売上げも10億円ほどになり、ようやく軌道に乗り始めた気がします。銀行もお金を貸してくれるようになるんですが、そのとき、必ず売上目標額を聞かれるんですよ。でも、私からしたら、そんなものはない。金額を目標に事業をしていないので。必要とされることをやって、多くの園児や保護者に喜ばれて、それが結果になるだけ。売上げはあとからついてくるもの。銀行に言ってもなかなか分かってもらえなかったんですけどね(笑)。

201412_kinderkids_long_05

―事業をやめたいと思ったことはありましたか?

何かあったらどう責任をとるのか、そう考えると怖くなって、事業ごと売却して退こうと具体的に考えた時期もありました。それを乗り越えるきっかけとなったのは、内部統制。責任者を育てること、危機管理をしっかりとしておくこと。何があっても即座に対応できる適切なマニュアルと必要な人員を確立することで、子どもの安全面、衛生面をしっかりと守る。これが起業家としての第二の転機になりました。今はどの教室の、どのスタッフも同じ高いレベルで対応できる体制を整えています。

内部統制に注力するまでは、給料や福利厚生も体系立てたものはなく、すべて私の頭の中だけにある状態でした。そんな状態にも関わらず、ついてきてくれたスタッフに感謝しています。

でも私たちには夢があった。「こんなことをやりたい」、その思いを共有できたから。仕事って、お金や条件だけでやるものじゃないと思います。こうしたいという思いがないと、どんなことも続けられない。会社規模が大きくなるとビジョンを共有することが難しくなっていくから、約500人のスタッフとそれを共有することが今の課題です。本来は対面で語りかけられたらそれが一番いいけれど、特に関東など遠隔のスタッフとはそれも難しくなってきて。ただ会社を大きくすることは、今も目標とはしていません。

201412_kinderkids_long_07

―女性経営者であることのメリットは?

デメリットの方が多いですね。まず、なめられます(笑)。事業を立ち上げた30才の頃は特にそうでした。銀行の担当者さんは50歳、60歳くらいの男性。露骨に「お嬢ちゃん扱い」され、悔しい思いもありました。その反面、親切にされることも多く、何も知らずに起業した私にはありがたかったです。

この仕事に関して言うなら、女性であったことのメリットは大きかったですよ。同じ母親としての立場で、率直に意見を言い合えた。こんなサービスがほしいというお母さんたちの生の声が、今の事業の基盤なんです。そういった声を素直に取り入れて、今の会社があると思っています。

―これから起業を考える方にアドバイスをお願いします

あまり前もって勉強したり情報収集したりしない方がいい(笑)。よく企業セミナーとかあるじゃないですか。でも勉強するほどリスクばかりに目が行くから、怖くなって前に進めなくなってしまいますから。私も、何も知らなかったから始められた。1校立ち上げるのに、いくら必要かも知らなかったですから。知ってたら怖くて始められなかったと思います。

何より大事なのは自分のハートから生まれた事業かどうか。これをやったら儲かる、儲けたい、という動機では続かない。儲からなくなったらすぐにやめたくなってしまうでしょ?保護者の方から「ありがとう」と言われる時に、すべてが報われる。自分の子どものためにしてあげたいと思ったことだからこそ、私も続けてこられましたから。

201412_kinderkids_long_06

(取材・文/北浦あかね 写真/掛川雅也)

誌面で紹介した記事はコチラ
→ないなら、つくればいい 母としてのニーズでつくった保育園

ページ 1 2
2014年12月10日
株式会社キンダーキッズ
代表取締役  
中山 貴美子 氏

幼保一体型バイリンガル保育園「キンダーキッズインターナショナルスクール」を全国18校で運営。

読者アンケート
ライター募集 フリーペーパーについて 本サイトについて

今月の町工場で働くオトコマエ

      
Bplatzのツイッター Bplatzのfacebook