≪講演録≫“ものづくり×ダイバーシティ”多様な人材の活用で企業を活性化!
「ダイバーシティ経営」推進のための具体的な取り組み
「ダイバーシティ経営」推進のために、当社が実施した取り組みの一つは、人事評価システムの見直し。多様な人材を活用するために、普遍的な評価ができる査定表をもとに上司との面談を定期的に行い、社員の意識醸成のために人事評価の研修を実施しました。
また、ワークライフバランスを踏まえた社内環境の改善として、小学校3年生未満の子どもや、介護者がいる社員は、申請すれば出退勤の時間をその都度変えることのできる、フレキシブルな短時間勤務を導入(1日4時間以上勤務すれば通常出勤)。また、介護・育児(マタニティ含む)に関わる就業時間中の一時外出も可能にしました。
そのほか、倫理的問題やハラスメント事項の予防・対応機関として、社内に倫理委員会を設置。また、社員のスキルアップ・自己啓発を推奨するため、特定資格の取得費用補助など報奨金制度を設立し、その結果、勉強に取り組む社員が増え、社内の雰囲気も前向きで明るくなりました。
貿易業務については、日本語ができる中国人社員を採用して「企画室」を新設しました。
普通の女性が、普通に仕事をしながら子育てできる会社をめざして
「ダイバーシティ経営」によって、海外売上比率は30%台(2008年)から50%台まで上昇。女性役職者は6名になり、女性の平均勤続年数も約1.5倍に上昇しました。
新卒採用については、女性を含めてほぼ全員が大卒者となったほか、累計で4名の外国人採用に至り、日本語・英語・中国語・韓国語は社内で翻訳。カタログやホームページ、入札用の資料、仕様書、見積書、銘板の表記も自分たちで訳すなど、社員120名規模でも、大手企業と同じような機能をもつようにしました。
新卒向けの会社説明会には、九州から東北まで広いエリアから学生が集まってくれます。そして、ダイバーシティ経営について一生懸命質問してくるのは男子学生。彼らにとっても、ずっと働くことができる企業かどうかは大きな問題なんです。
ダイバーシティ経営を推進して一番良かったと感じるのは、最近、社員が辞めないこと。これからも、普通の女性が普通に仕事しながら、子どもを産んで育てられる会社にしていきたいと思っています。