創業天正年間。紙問屋からスタートし、文具店、バラエティショップへと業態を変化させ、400年の歴史を積み上げてきた「せのや」。「お客様がよろこぶものなら、なんでも扱う」というポリシーで展開するうち、いつしか売上げの7割が大阪土産に。2002年からは「いちびり庵」として、お土産専門店へとリニューアルした。
同店を訪れる外国人客は年々増加しているが、インバウンド需要を見越して特別なことをしてきたわけではないという。外国人向けの商品開発ではなく、あくまで、日本人客がほしいと思うものをカタチにしてきた。それが却って人気を博し、今では来店客の3分の1が外国人で、店頭で接客するスタッフも3分の1が外国人だ。
アルバイトスタッフからのアイデアで商品化した大阪土産で人気の歯ブラシ。
留学生をアルバイトとして採用するも長続きしないのが悩みだったが、まとめて数名を採用することで、言葉と文化の壁で孤立しないようにした。なかでも定着率を高める大きな力となったのが「大阪のおばちゃん」のコミュニケーション力だったそう。
一緒に働く女性スタッフが「ちゃんとごはん食べてるか~?」とおにぎりを持ってきて外国人スタッフに声をかける。「そんな無形のホスピタリティに助けられました」と福岡氏。約10年の歳月をかけ、外国人スタッフとの協働体制を整えてきたことが、インバウンドの売上げにも貢献している。
お客さんの反応を直に捉えられるのは、店舗の強み。
昨年からは、食品サンプルづくりなど体験型コンテンツを提供する「大阪わくわくアカデミー」をスタート。大阪名物をつくることは容易ではないが、いちびり庵自体が大阪名物になり、「また行こか、大阪」と言われるような魅力を発信していく考えだ。
代表取締役社長 福岡 武志氏
(取材・文/北浦あかね)
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