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流通構造の変化による売上減少に危機感「魚を食べてもらう 仕掛け」で現状打開

時代の流れで流通構造が大きく変化し、数年前3期連続で主要取引先の中堅スーパーが立て続けに倒産する事態に遭いました。加えて大手スーパーが卸を介さず産地直送やメーカー直仕入を始め、売上減少に歯止めがかからなくなってきました。その状況に追い打ちをかけるように昨今は若年層の魚離れが進行中で、魚の消費自体も落ちている。従来から百貨店に直営小売店を展開していましたが、他店との差別化を図らなければ生き残れないとの危機感が募り、プライベートブランド商品の開発を行うことになりました。

まずこだわったのが漬け魚です。たとえば九州の西京味噌メーカーに無添加味噌の開発を依頼したり、若い女性向けにバジルソースを使った商品を開発したり、真空パックを導入して清潔感がある商品の販売を意識するようになりました。ところが、当社の期待とは裏腹に、お客様からは「魚を焼くのが難しく手間」「もっと手軽に焼ける魚がほしい」という声が上がるようになったのです。

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いくらいい商品を開発しても、食べてもらわなくては意味がありません。そこで5年前からメーカーと組み、「レンジで手軽に魚が焼けるシート」の開発に着手しました。似たような商品が発売前に出てきましたが、蒸し焼き状態の商品でした。あくまで焦げ目がつき、香ばしい焼き上がりでなくては美味しくない。試行錯誤を重ね、最終的にシート面の柄を工夫し、マイクロ波の屈折を変えることで、高温でこんがり・ふっくらと焼き上がるシートの開発に成功しました。2年前に商品化し、「おてがるくん」という名称で販売しています。

2年前に世代交代で社長に就任した際、組織改革も行いました。具体的には、トップダウンの組織を改め、営業部と製造部を新設したのです。これにより、従来は営業部が弱くお客様待ちの姿勢でしたが、現在は営業スタッフが新規開拓に奔走してくれています。すでに成果が出始め、大手商社など従来にない新たな取引先の開拓にもつながりました。結果、売上の減少は昨年底を打ち、今年に入って上向きに転じています。

中期的には10年後に売上3倍をめざしています。そのために直営の小売店を増やし、飲食部門の経営にもチャレンジしたいですね。

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▲展示会やモニター会に積極的に出展し、オリジナル商品をアピールしている。2年前に商品化した「おてがるくん」も出展したところ、流通大手との商談に成功。現在、大手スーパーでの販売に向けた調整が進む。

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▲他社との差別化を図るために展開するオリジナル商品。こだわりの漬け魚の企画や、「おてがるくん」(写真左)の開発も、すべてはお客様に魚を食べてもらうため。

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▲1年前からバイヤーを会社に招き、社内で試食会を実施している。食べてみなければ、美味しさは伝わらない。そこで試食しながら商品に対する思いを伝えたり、顧客の要望を聞くなどし、その場で商談を進めている。

2012年07月10日
大商水産株式会社
代表取締役社長  
近藤 達夫氏

設立/1964年

従業員数/42名

事業内容/大阪市中央卸売市場東部市場の開設と同時に設立。水産物の加工品を製造・卸売する。や漬け魚にこだわり、自社の加工工場で新鮮な魚だけを素早く加工して販売。百貨店に直営小売店を4店舗展開する。

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