産創館「これまで」と「これから」
2001年1月に開業した大阪産業創造館(産創館)。
年間5,000回を超える経営相談をはじめ、セミナーや連続講座、商談会、交流会などを年間250回以上開催している。15周年をむかえ、現場を統括する2人にきいた。
■大阪産業創造館 マネジメント支援チーム リーダー 齋藤 考宏(左)
創業前から事業承継に至るまで、経営者が抱える課題をテーマにセミナーやワークショップを企画運営する部門の責任者。実家が営む教育ビジネスも事業承継まっただ中。
■大阪産業創造館 事業推進支援チーム リーダー 多賀谷 元(右)
商談会などを通して、商品開発から販路開拓までをサポートするリーダー。特に製造業の見識や人脈が広く、経営者からの信望が厚いが、妻と娘3人の家庭ではアウェイ。
―これまでを振り返って
齋藤(左):中小企業の皆さんと接していて、足もとの景気ってどう感じてる?僕は二極化しているように感じていて。その中でも産創館に訪ねてこられる方って、前向きな人が多い。ネットをうまく活用して新規顧客を増やしたり、さらに事業を成長させるために、次の一手を打ちたいと考えてたり……。
多賀谷(右):ここ3、4年で展示会の来場者数がヒト桁増えました。技術系の展示会だと7,8年前はせいぜい300人程度。それが今では1000~3000人。特定の分野や技術に絞ったテーマが好評で、自社の製品やサービスに付加価値をつけるためのネタを探すのにかっこうの場となってるみたい。あとは、海外市場のハードルが低くなって、チャレンジする企業が増えてきたのを感じるかな。
齋藤:なるほど。将来のためにアンテナ張ってるってことやんね。組織を強くすることについても関心が高いね。新しいことを始めても会社としての動きにするためには時間もエネルギーもかかる。社員をどうすれば巻き込んでいけるだろうか、っていう相談も目立ってるよ。
多賀谷:いずれにせよ、産創館の存在を大阪の幅広い企業、経営者の皆さんに知っていただけたのだと実感します。
―2016年のキーワード
齋藤:「採用」ですね。どの業界のどの経営者と話をしていても一様に「人手が足りない」と。新卒はもちろん、小売業ではアルバイト、ものづくりでは中途採用でさえ採用に苦労していて、切実さが増してる。採用はどんどんマーケティング化していて、自社に関心を持ってもらうための戦略を考え、実行していかなきゃならないところにきてる。今後、産創館でも、中小企業が働き手に選んでもらうための戦略立案についてはもっとお手伝いしていかなアカンのちゃうかな。
多賀谷:私のキーワードは、やっぱり「マッチング」かな。産創館のような公的機関の重要な役割は企業間の出会いを創造することだと思っています。でも、産創館ではよくあるような総合的な展示会ではなく、機能性コーティング・高機能プラスチック・粉体処理技術など技術やテーマを絞った小規模の展示商談会をたくさん開催しています。
例えば、塗料・接着・粘着・表面処理技術の見本市「機能性コーティングフェア」に出展した企業さんからは、サンプル作成や試作から継続受注につながっているという成果も聞いています。特化した展示会は、その分野に関心が高い人しか来ませんから成約の確率も必然的に高くなるんですよね。その結果、出展した企業さんからたくさんの成果報告をいただいています。
▲経営者や起業をめざす人向けのセミナーやワークショップを多数開催。
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