ぬくもりをつなぐ ユニークでサステナブルなニット製品

繊維産業のまち泉大津にある澤田株式会社(SAWADA)は、「ユニークな糸でニットの明日をひらく」をモットーとする創業50年超のニット原糸メーカー。東京、香港、上海に拠点を置き、個性豊かで高品質なオリジナルニット原糸を世界中に届けている。売上げの半分を占めるニット製品の開発も得意としており、約100社のアパレルメーカーのニット製品をOEMスタイルで企画・生産。糸選びから最終製品まで、ニットウェアづくりをトータルにサポートする。

大阪営業所(本町)の商談ルームに、ずらりと並ぶ編地見本。

近年は、自社ブランドでの製品づくりにも着手。「社内で最終製品まで携わることは、原糸のニーズがわかり、新たな開発に効果的」と話す澤田氏。環境に配慮し、もったいない精神を大切にしたサステナブルな取り組みが盛んだ。

「KNOT YET!(ノットイェット)」は、社員の発案から誕生したブランド。SAWADAの糸の魅力を展示会などで伝える編地見本の数は、年間約500点にのぼる。愛情込めてつくっても廃棄になる運命の編地を再利用したバッジやシューズ、帽子などはいずれも1点もので、カラフルなニットの温かみが伝わる。

編地見本を再利用し、新しい価値を生み出した「KNOT YET!」。

「NETENE.(ネテネ)」は縫い目のないニット製品で、ふんわり柔らかな肌触りと着心地のよさが好評のリラクシングウェア。使用する糸は、捨てられていたコットンの種のまわりについている産毛を使ったキュプラで、土に還る天然素材だ。調湿に優れた機能性も女性たちの心をつかんでいる。

最後に土に還る、循環型サステナブルニットウェアの「NETENE.」。

また、「もったいない糸」は役目を終えた糸や、一部だけ使ってまだまだ使える糸のリユースで、バリエーションに富んだ糸を、手芸好きなお客様に低価格で提供している。

実は、コロナ禍で創業初の赤字を経験したというSAWADA。アパレル業界全体の不振に影響を受け、売上げが30%減まで落ちてしまった。しかし、そんななかで「仕事がないなら、自分たちで新しい仕事をつくろう」と、社員たちが動き出して生まれたのが「NETENE.」だった。同時期に、自社ブランド製品を集約して販売するオンラインショップ「SAWADA MARCHE」も立ち上げた。コンセプトは、「ニットのぬくもりをライフスタイルに」。自社のオリジナル原糸を活用したニット製品を、お客様に直接販売する場所ができたのだ。

「NETENE.」や編地見本は、若いクリエーターによって社内生産されている。

「社員が自主的に仕事を構築する動きが生まれたことで、新しいビジネスモデルの環境づくりができた。これからも、多彩な個性を編み合わせたニットのように自然体で柔軟、かつ丈夫な会社でありたい」という澤田氏。世界でいちばんのニットカンパニーをめざし、未来に歩みを進める。

代表取締役社長 澤田誠氏

(取材・文/花谷知子)

2021年12月09日
澤田株式会社
代表取締役社長  
澤田 誠氏
事業内容/ニット用原糸、ニット製品の企画研究開発・販売

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