レスポンス命!ラジコンの操作速度を徹底追求する超コダワリ企業
ものづくりを愛してやまない大阪産業創造館プランナー エグチがお送りする『ものづくり』マニアックコラム。
今回お話をお伺いしたのは
三和電子機器株式会社 ラジコン営業部 国内営業課
係長 大野 敦弘さん
みなさんこんにちは。大阪産業創造館のマニアックプランナー、エグチです。
こんなコラムに目をとめたアナタ。さては物好きなお方ですね。
主な事業として家電など身近に使用する家電リモコンを開発製造する東大阪の三和電子機器株式会社。しかし、そこには目もくれず「ラジコン」事業部門へ足を運びます。
みなさん、ラジコンはお好きですか?子どもも大好きなラジコン。そうそう、手元で操作して、おもちゃのクルマが動くアレです。
手で持つ方の機械を「プロポ」と言います。覚えておいてくださいね、テストに出ますよ。
三和電子機器株式会社は45年以上その「プロポ」を開発している企業です。
ラジコンといっても趣味性の高い精密なラジコン。子どものおもちゃなんかじゃありません。ラジコンレースの世界選手権なんかもあるんです。
ちなみに今回対応いただいた大野さんは、趣味でラジコンをされ、ラジコンをやりたいがために三和電子機器株式会社に入社された方。うらやましい!
そして1987年からラジコンの世界選手権に出場。現在でも自社製品のテストドライバーとして参戦されています。
製品ラインナップは陸(自動車)・水上(船)・空(飛行機)そしてロボットと4つのカテゴリーがありますが、全て網羅!しかしやはり景気の動向で現在は陸の自動車タイプが製品の主力になっているようです。
ちなみに陸・水・空それぞれプロポには違いがあって、自動車と船はほぼ同じ。しかし飛行機は操作できる要素が多くて10系統(チャンネル)もあるみたい。沢山のレバーやボタンがあって、めっちゃ難しそう!
国内でも同業の企業は日本でも4社、海外でも有名な企業は数社あるだけ……。え、世界でそれだけ?想像していたよりもずっとニッチな業界です。
その中でも、日本のプロポ製造開発技術はかなり高いレベルにあり、古くは模型飛行機を遠隔操作することから始まった経緯もあるとかないとか。
ロボット用のプロポもあるとのことだったんですが……どんなロボットを動かすプロポなんだろう。ふと後ろに目をやると、40cmくらいの大きな鉄人28号が。
大野さん「これ、動くんですよ」。
え!?鉄人を動かすプロポもあるんですか。すごい、近未来!
一時期ロボットブームがあった時にロボットへ事業展開をしたとのこと。
しかしラジコンの魅力は自由に動かせること。ロボットは決まった動作を覚えさせるだけなので、ラジコンではないという意見もあり、継続して開発は行われなかったらしいです。