《講演録》「共感」のチカラで、苦境を乗り切れ 〜味方をつくる共感経営とプレゼンの極意~
[三輪氏×山崎氏 対談]
◉二代目代表は創業者の呪縛からどうやって卒業したのか
山崎:国際協力のNPO としてe-Educationが有名になったのは、初代代表の税所篤快氏がメディアによく取り上げられたということもありますよね。
三輪:彼は発信力や求心力のある人で、4年間で5冊の本が出版され、半年に1度はテレビで特集が組まれていました。
山崎:創業時は副代表だった三輪さんですが、代表交代のときの気持ちは?
三輪:嬉しさもありましたが、プレッシャーのほうが大きかったです。創業者は0を1にすることが得意な起業家肌です。しかし、組織を大きくしていくフェーズにおいて、1を10や100にする人がいいということで僕が自ら志願しました。
山崎:組織外の人たちは、代表交代に納得したんですか。
三輪:実際、僕が代表になったとたん寄付者が減りました。「三輪さんなら結構です」とプレゼンを断られることも多かった。悔しいけれど、創業者に勝てないところは仕方がないので、別のところで勝負しようとリスタートしたんです。
山崎:代表を交代して、最初にやったことは何ですか。
三輪:前職JICAでの経験を活かし、NPOと民間企業が手を組んで国際協力をさらにビジネスまで発展させるのは、自分にしかできないことだと考え、企業との共創を模索しました。
山崎:結果的には団体の改革を進め、代表交代から2年で事業規模を10倍にしたんですよね。
三輪:メディアの露出は減りましたが、政府から協力を得たり、民間企業と共創することで、事業規模を拡大することができました。
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