スタッフ連載

中小企業のビジネスチャンスを生み出すノウハウボックス「ライセンスバンク」で大企業や世界と勝負する!

2021.01.07

【起業家図鑑】大阪産業創造館 創業支援チームのプランナーが月替わりで起業家を紹介する連載コラム。起業を志したキッカケや、困難に直面したとき乗り越えた方法、また事業を軌道に乗せるために必要なことなど。一歩先をいく先輩起業家の体験談をプランナー目線で紹介します。

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【起業家図鑑】vol.32 中小企業のビジネスチャンスを生み出すノウハウボックス「ライセンスバンク」で大企業や世界と勝負する!

某大手企業のエンジニアとして新製品の製造プロセス開発に従事し、技術者が身を粉にする思いで開発した結果、新製品が生まれることを経験した山本氏。自身がエンジニアを続けるよりも、苦心の末に生まれる新製品を守ることで開発者を支援したいと考え弁理士になった。

その後、特許事務所へ転職し弁理士として特許でクライアント企業を支援しようと取り組むが、せっかく取得した特許のほとんどは、活用されていないという事実を知った。

特許事務所の弁理士は、特許の取得に尽力はするが、事業戦略的上使える特許かどうか判断することはできない。

「特許の価値とは何なのか?」と思い悩んだ末、市場シェア8割というニッチトップの中小製造業に転職し、知財部長として従事することに。

その中で、特許をビジネスに組み込むこと、いわゆる特許戦略を学び、これこそが特許の価値だという自分なりの答えを見つけた。

 

代表取締役 山本 英彦氏

その後、前職で得た特許戦略の実践と経験をもとに、中小企業専門の特許事務所として独立開業。また、並行して特許の活用を支援する株式会社Techno-ideaを設立した。

一般的に、特許の取得には100万円近く費用がかかるが、その内訳の3分の1が特許庁費用、残りの3分の2が弁理士報酬となる。

この弁理士費用を調整することで、特許取得の費用的壁がなくなるのでは?と考え、月額3万5000円(税別)で「特許の申請」「特許を利益化するためのライセンスビジネス交渉」「模造品などに対応する裁判対応」までを担うサブスクリプション型特許活用サービス「ライセンスバンク」を立ち上げた。

これにより、中小企業単体では対応しきれなかった、特許取得から活用までの「安心」を提供できるようになった。

 

特許取得費用も含めて定額制にすることで、初期の負担を軽減できるサービス「ライセンスバンク」。

 

ライセンスバンクを使って、特許出願からアプリ開発までを支援したQRコードで収納管理できるアプリ『patQ』。通常よりもコストがかかる印刷費をクラウドファンディングで調達することで、初期費用を捻出しリリースを実現させた。

「中小企業こそ特許戦略を実践できれば【唯一無二】の存在になりやすい」と山本氏は言う。

「中小企業は、意思決定の速さと自社の独自技術に基づいたアイデア創出の可能性があり、これまで活用されていなかったノウハウや特許を活かすことができれば、イノベーションを創造する仕組みをつくることができると確信している。中小企業が持つ個々の特許を『ライセンスバンク』というノウハウボックスに集めて、大企業や世界とも勝負できる環境を提供していきたい」と語ってくれた。

 

左:代表取締役 山本 英彦氏

 

(取材・文/大阪産業創造館 創業支援チーム プランナー 松原美華)

株式会社Techno-idea

代表取締役

山本 英彦氏

https://licencebank.co.jp/

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