良い意味で裏切られる手ごたえがあるからやめられない、卓球好きの女性へ届ける卓球専門メディア「卓球レディース 」
大阪産業創造館 創業支援チームの【起業プログラム】を実際に利用し起業した“先輩起業家”を紹介する連載コラム。起業を志したキッカケや、困難に直面したとき乗り越えた方法、また事業を軌道に乗せるために必要なことなど。一歩先をいく先輩起業家の体験談を紹介します。
良い意味で裏切られる手ごたえがあるからやめられない
「卓球好き」の女性へ届ける卓球専門メディア
感染症拡大に世間が騒ぎ、情勢も悪化するなか、西村さんが勤めていたパート先の契約が更新されなかった。職を失う不安を抱え、何か行動をしなければと考えながらネットで情報収集しているときに、「起業プログラム『立志庵』」のことを偶然知った。自分が起業するなんて考えもしていなかったが、とにかく行動がしたくてプログラムへの参加を決めた。
プログラムへの参加には、自分のビジネスプランを申込用紙に落とし込む必要があった。起業アイデア探しに悩みながら「自分の得意なことや好きなことを活かせることはないか」とぼんやり考えてみた。
高校時代、卓球部に所属していた西村さん。大学生になり心変わりから卓球を辞めてしまったが、子どもの通う小学校のPTAで、卓球部があることを知り早速入部した。そこで改めて「やっぱり卓球が好き」という思いがわき上がった。
それからは、以前にも増して卓球にのめりこみ、卓球に関する情報を得たくてWeb検索をしたところ、卓球関連のメディアは上級者向けで男性目線のものばかりだった。「どうしてもっと気軽に楽しめる卓球メディアがないのだろうか」と思ったそのとき、「女性も楽しめる卓球専門メディアをつくる」という起業アイデアを思いついた。
立志庵への入居後は、早速Webサイトづくりに取り掛かったが、西村さんにはWebの知識は全くといっていいほどなかった。しかし、「やるしかない」と覚悟を決めた西村さんは、知識を得るため図書館へ通ったり、友人に知恵を借りたりなどし、Webサイトの構築、運営管理、取材・記事作成まで自分ひとりで手掛けるスモールスタートで、【WEB MEDIA「卓球レディース」】を立ち上げた。
サイトを立ち上げたあとも、課題はいくつもあった。
大学卒業後、編集プロダクションで編集者として勤務していた経験のある西村さん。当時は、月に数十件という取材をこなしていたこともあり、コンテンツ探しや取材交渉はお手のものだった。しかし、できたばかりの無名メディアは認知もなく、取材先には相手にされず苦労した。
そんなとき、立志庵のメンバーが取材対象者になってくれるなど協力を得ることができ、取材コンテンツを埋めることができた。起業を志す仲間に支えられ世に出た【WEB MEDIA「卓球レディース」】公開初月の閲覧数は5,000PVにのぼった。なかには、何度もサイトに訪問してくれている人がいることを知り、ファンができたことは自分の原動力となった。サイト運営を事業として成功させるためには、企業とのタイアップによるマネタイズが必要と知り、苦手な営業にもトライし、ミズノ株式会社とのタイアップ企画を実現することができた。
西村さんの座右の銘は「捨てる神あれば拾う神あり」。一生懸命に頑張っていれば、きっと誰かがみてくれていると信じている。「卓球が好き」という気持ちで走ってきた今、良い意味で期待を裏切られる訪問者の反響が楽しくて、Web更新が自分の楽しみになっているという。
大阪産業創造館では、起業に役立つセミナーやプログラムをご用意しています。
利用した起業プログラム/起業プログラム『立志庵』
https://www.sansokan.jp/akinai/risshian/
起業プログラム「立志庵」は、6か月の利用期間中、さまざまなセミナーで学び、専門家からのアドバイスを受けながら、事業プランをブラッシュアップし、起業を実現させることができるプログラムです。