スタッフ連載

温州人の商売哲学をヒントに生まれた「外国語おみくじ」

2018.12.21

【起業家図鑑】
大阪産業創造館 スタートアップ支援チームのプランナーが月替わりで起業家を紹介する連載コラム。起業を志したキッカケや、困難に直面したとき乗り越えた方法、また事業を軌道に乗せるために必要なことなど。一歩先をいく先輩起業家の体験談をプランナー目線で紹介します。
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【起業家図鑑】vol.13 温州人の商売哲学をヒントに生まれた「外国語おみくじ」

「一膳の箸で1元稼ぐのか、100本の楊枝で1分稼ぐのか」
「小商品を見くびるな」

中国人の中でも「商売人でお金儲けが上手」と言われている中国浙江省温州人の商売哲学の言葉だ。

もともと中国語の翻訳者であった株式会社シープロジェクトの原口昭一氏は温州人の商売哲学をヒントに「おみくじプロジェクト」を生み出した。

原口氏の作るおみくじは、日本語のほか多くの外国語で書かれた多言語おみくじである。

その中にはアニメキャラクターが挿絵に使われたオリジナルおみくじもある。日本を訪れる外国人に人気だ。

代表取締役 原口昭一氏

約20年前、原口氏は中国に留学し、帰国後、さまざまな職業についた。その後、得意の中国語を活かして起業を志した。

当初は、中国語の語学教室・語学コンサルティングなどの事業を手掛けるが、日中関係の影響もあり、事業は危機に直面する。

そんな時、中国のビジネス書を翻訳出版することになり、そこで中国浙江省の温州人のビジネス哲学に触れた。

温州人は、小さく誰も見向きもしないような商品かつ繰返し使う商品に商機を見出す。

翻訳作業を進める中、過去に一度だけ神社からの依頼で作った外国語おみくじを思い出した。

「まさに、これだ!」原口氏はひらめいた。

外国語おみくじ本舗を開業し、日本語オーダーメイドおみくじや外国語おみくじにと数々の注文が入り事業は徐々に拡大していった。

バラエティ豊かなおみくじ制作のノウハウを蓄積し、コスト競争力を高め、オリジナルおみくじというニッチなマーケットをほぼ独占した。

おみくじと温州人の商売哲学という日中のミックスドカルチャーが世界を席巻する日も近そうだ。

【おみくじプロジェクト】
http://omikuji.jpn.com/

(取材・文/大阪産業創造館 スタートアップ支援チーム 起業プログラム&デスク「立志庵」マネージャー 明田豊広)

原口さんも利用した!
▼ブース、ロッカー、打合せスペースなど24時間365日利用できる!
起業プログラム&デスク「立志庵」
https://www.sansokan.jp/akinai/risshian/

株式会社シープロジェクト

代表取締役

原口 昭一氏

http://www.cproject.asia

事業内容/観光業に特化した翻訳