東大阪の町工場を中心に2,000社以上の中小零細企業と連携し、大手メーカーなどの課題を解決に導くNKGW株式会社。
代表の中川氏も「何でも屋です」と自社を紹介する通り、業務領域は「新商品や部品の開発」「タイトスケジュールでの試作品作り」「コストダウン」など多岐にわたる。
クライアントも機械メーカーや製薬会社、日用品メーカーや金属プレスメーカーなど幅広い。
具体的な相談内容についてはトップシークレットだが、例を挙げると、「高い堅牢性を持ちつつ環境に負荷をかけない新素材の開発」「顕微鏡を使った、ミクロ単位での溶接加工」など、難解かつ次世代を担う最先端技術に挑戦すること多数。
同社では相談内容を把握して中小企業を紹介するだけではなく、伴走型でサポートを行なう。
中川氏を突き動かすのは“危機感”だ。
OA設計や購買業務などを、会社員として11年間担当する中、中小零細企業の町工場が高い技術を持っているにも関わらず、不毛なコストカットなどで疲弊している現場を、目の当たりにしてきた。そこで、技術力を活かしきれていない町工場と、大手メーカーなどを繋ぐことでイノベーションを生み出すビジネスを始めた。
「ものづくりの現場を支える職人たちは、本質的に新しいことに挑戦することが好き。実際、既存のやり方では成し得なかった加工技術が生まれたり、世の中に存在しない素材の開発がありました」と中川氏。開発で得られた独自のノウハウは、町工場が価格優位性や競争力を持つことに繋がる。
コストダウンの相談を受けた場合も、工程や素材を変えるなど、知恵と工夫を凝らす。「安易なコストカットではなく、関わる企業全員がメリットを享受できることをめざします」とのスタンスだ。また“足るを知る”をモットーに、過度な利潤追求主義には距離を置く。
将来的には、BtoBでクライアントと町工場をネット上で繋ぐプラットフォーム作りをめざしている。
「市場が成熟した日本のものづくりに求められるのは大量生産ではなく、世界で通用する高付加価値製品などを創り出す高度な技術力。昨今、中小企業が宇宙船の部品を作るといったドラマが流行ったが、実はごく一般的な町工場も、独自の技術を秘めている。世界に名だたる大企業から町工場が注目され、輝けるように中小、零細企業のボトムアップを支援したい」と願う。
大企業からオファーを受けるだけでなく、町工場の技術を、大手メーカーに売り込むケースも多い同社。今日も中川氏には、未来のものづくりに繋がる様々な相談が舞い込んでいる。
「ものづくりの価値向上を支援したい」と代表の中川氏
(取材・文/仲西俊光)
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