日本は人材不足ではなく人財を活かしきれていない

【起業家図鑑】大阪産業創造館 創業支援チームのプランナーが月替わりで起業家を紹介する連載コラム。起業を志したキッカケや、困難に直面したとき乗り越えた方法、また事業を軌道に乗せるために必要なことなど。一歩先をいく先輩起業家の体験談をプランナー目線で紹介します。

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【起業家図鑑】vol.23 日本は人材不足ではなく人財を活かしきれていない

国は少子高齢化による労働人口の減少に伴い、働き方改革、外国人雇用を促進しています。しかしながら、まだまだ国内の人財を活かしきれていないのではないかとピュアライフパートナーズ代表の塩谷さんは言います。

 
厚生労働省の令和元年度の障がい者雇用状況の集計結果では、民間企業の法的雇用率達成企業の割合は48.0%と過去最高の結果でした。https://www.mhlw.go.jp/content/11704000/000580481.pdf(厚生労働省 HP令和元年 障がい者雇用状況の集計結果より)
裏を返せばまだ半分以上の企業は雇用できていないことになります。

 
塩谷さんが企業側の話を聞くと、やりたいけどできないという意見も少なくないそうです。その理由としては「受け入れ体制が整っていない」「本業が忙しい」など、障がい者の雇用に手が回っていないのが現状だそうです。

そんな企業に対して、塩谷さんは受け入れる側の組織作りや障がい者に対する知識や理解を深める社員教育を提案をしています。

 
1年前、ある製造業の部長職の方が塩谷さんの話を熱心に聞いてくれて、社員の方に向けたセミナーの実施や、試験的に6人の体験実習を受け入れてくれました。数カ月間の体験実習は今年の2月に終わり、1人の雇用に結びつきました。

働く人、受け入れる企業、どちらにも喜んでもらうことが、この事業の本当の価値だと考えているので、無料のアフターフォローを実施し定着支援にも力を入れています。

そして求職者とは必ず面談をして、希望の職種や人となり、何を求めているのか丹念に聞き取りをすることを心掛けています。企業側には、書類ではわからない個性や長所があるので、まずは会ってほしいと伝えています。

代表の塩谷さん

そんな塩谷さんの頭に「起業」という言葉が浮かんだのは、命に関わる大病を患ったことがきっかけでした。運よく病気を発見し、2カ月間入院していた時に、自分は生かされたんだと感じたそうです。

これまで漠然と長生きできると考えていた人生について考え直すきっかけになり、そして、生かされた人生を社会課題の解決に取り組む事業に使いたいという考えに繋がりました。

 
27年間、半導体メーカーの営業をされていたので、全く別の業界での起業になりますが、営業マンとしての経験を今の事業でも活かしています。

企業への電話営業や飛込み営業、求職者との面談など人と接することはどんな業界でも通用します。今は営業、面談、アフターフォローなど一人で何役もこなしている状況ですが、出会った人から「一緒に仕事をしたい」という話もあり、採用も検討されています。

 
コロナウイルスの影響で正社員を雇用せず、アルバイトの雇用にシフトする企業も増えているので、塩谷さんの事業も影響を受けています。

しかし、外国人が日本に入国できない状況だからこそ、高齢者、障がい者の方たちのように、まだまだ活用できていない人財に目を向け、日本の労働力を底上げしたいと意欲的です。

塩谷さんは企業と求職者のミスマッチと、労働人口不足を解消する、まさに『三方良し』をめざしています。

 
(取材・文/大阪産業創造館 創業支援チームプランナー 石嶺 一樹)

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2020年04月02日
ピュアライフパートナーズ
代表  
塩谷 誠氏
事業内容/有料職業紹介事業、高齢者、障がい者の就労支援事業(厚生労働大臣許可番号27-ユー302300)

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