新芽に詰まった可能性を伸ばす

代表の木村氏、水質管理の専門家・加原氏を含むチームで、栽培から収穫、販売までを一貫して手がけている。
もとはサプリメントの製造とWEB販売を専門に、木村氏が12年前に立ち上げた会社。競合が増えてきて、食品そのものから効果的に栄養を摂取できないかと考えていたところ、出会ったのが水耕栽培だ。
安定した環境で育てられて、含まれる栄養成分をコントロールしやすい。サプリメントと同じように、「特定の栄養素を必要とする人に届けられるのでは」と農園経営に踏み切った。

根から芽まで丸ごと食べられる。“黄芽っこ”は炒め物やパスタ、おひたしなど何にでも合い、レンジで加熱して塩胡椒するだけでも美味しい。
一般的にいう「にんにくの芽」は花茎のことで、本物の「新芽」は長く伸ばすのが難しく、あまり栽培されてこなかった。薄い黄色で、マイルドなにんにくの香りと柔らかい食感を持っている。

兵庫県養父市の提携農家から仕入れた生にんにくや、十三の農園で熟成させた黒にんにくも合わせて販売。
収穫した新芽は“黄芽っこ”と名づけ、大阪府内の農産物として「大阪産(おおさかもん)」の認定も受けた。
「試食してもらうと良さが伝わる」と大手小売チェーンや外食産業向けの見本市にも積極的に出展し、販売ルートの拡大に力を入れている。「リピーターの方が増えて栽培が追いつかない時期もあり、困っています」。

試行錯誤してきた栽培方法。発芽の遅さが気になって調べると、夏場の輸送時の高温が原因だったことも。
箱の中なら一定の温度を保ちやすく、空調費が抑えられる。水分はミスト噴霧で済み、水道費も最小限。1畳ほどのスペースで50人分の“黄芽っこ”が栽培できる。まずは栽培システムの意匠特許を取り、キット化を画策する。
今は販路拡大と生産拠点の確保を並行して進めている。スーパーの裏手に自動販売機を置くような感覚で。それなら地産地消ができて輸送コストもかからない。
作業がしやすいため、福祉施設はどうか。極寒や熱帯地域でも栽培可能。「砂漠で野菜が作れたらいいですよね」。いろんな可能性の種になりたい、と夢はふくらむ。
(取材・文/衛藤真奈実)
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株式会社ヘルシーベスト ヘルシーベスト農園
代表取締役 木村 寛子氏
顧問 加原 裕士氏
事業内容/国産にんにくの販売、黒にんにく・黄芽っこにんにくの生産・販売、粉末サプリメントの製造・販売









