暗闇でも見える監視カメラ、防災・防犯用に展開
主力商品の「デュアルPTZカメラ」は1台で2役をこなし、昼はCCTVカラーカメラが、夜は赤外線サーマルカメラが監視をする。後者は、あらゆる物質が持つ温度の差をもとに画像化する仕組みで、暗闇や霧、煙がかかった状態でも撮影範囲を画像化できることが特長だ。
防塵・防水機能は規格の最高等級を満たしているほか、1km先の自動車まで検知できる画像性能を持つ。360度回転し、あらかじめ特定した監視箇所の温度変化をもとに警報、メールなどで知らせることができる。
「何を監視したいのか、どの時点で警報を発信すればよいのかなど設置主体のニーズに合わせシステムを自由に組めることが当社の強み」と久松氏は語る。
最も期待できる用途は防災向けだ。夜間の河川の水位変化や、土石流の徴候なども把握できることから自治体の防災担当者からの関心が高い。
「1台約500~850万円の価格がハードルになるが、1台で255カ所まで監視箇所をあらかじめ指定できることや、夜間に照明設備を使わずに広範囲を監視できることをアピールしていきたい」と久松氏。
また、24時間ドローンなどの飛行物体の侵入を検知したい、夜間の密漁を察知したい、という要望も舞い込んでいるという。夜のひったくり防止にも活用でき、個人の顔までは特定できないのでプライバシーに配慮できる。
昨年1年は展示会への積極出展でまず認知してもらうことに主眼を置いたが、今年はネットも活用しながら本格販売に注力する。
(取材・文/山口裕史)