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金融機関の仲介で大学とマッチング 新規事業確立に向け共同研究スタート

堀川化成は、工場で使われた使用済み有機溶剤を引き取って蒸留精製し、新しい液に近い状態にして元のユーザーに戻す、もしくは転売する事業を行っている。ものづくりのプロセスで有機溶剤が使われるケースは多く、取引先は電子部品メーカーから医薬品メーカーまで幅広い。

大手電子部品メーカーが世界でトップシェアを握る電子機器向け基幹部品の洗浄剤のリサイクルも一手に引き受けており、藤本氏には「日本のものづくりを下支えし、国内立地の製造業を守る」という強い自負がある。それでも、6年前に年商に匹敵する投資額で滋賀工場を建設した際にはメガバンクからの融資は得られず、政府系金融機関に窮地を救ってもらった。「常に一か八かのリスクを背負う覚悟で事業に臨まなければわれわれは生き残れない。金融機関にはそこを理解してほしい」と注文をつける。

4年前のリーマン・ショックは事業を考え直す転機になった。「日本の工業はほとんどが自動車もしくはデジタル家電に行き着く。どちらかがつまずけば事業は不安定になる。そこで工業だけに頼らない事業を新たに確立する必要があると感じた」と振り返る。
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着目したのは食品をはじめとする未利用資源の再生事業。「食品を製造する際に廃棄されているものの中から栄養分を取り出し有価物に変えるビジネスにはまだチャンスが眠っていると考えた」。だが、そのためにはまったく新たな技術を構築していかなければならない。そんな折、かねてから接触したいと思っていた大阪府立大学教授の講演を大阪信用金庫から案内される。講演当日に取り次いでもらい、自身の構想を直接伝えたところ意気投合。新たに社員を採用し、大学に派遣して共同研究を開始した。現在は別の大学にも社員を派遣し、研究テーマを4つほどに絞り込み、事業化を検証中だ。

最近では、将来の経営幹部を養成するために、30代の社員を製造業の経営者向けの講座に参加させている。常に時代の先を読み、「不況は攻めに転じるチャンス」と事業開発にも人材育成にも意欲的な藤本氏の行動力は金融機関からも評価されており、滋賀工場増設のための資金需要が発生したときも大阪信用金庫の意思決定は早かった。「大阪信金は金融機関にはめずらしく研究開発への理解が深く、産学連携にも力を入れていて、われわれのような技術系企業にとっては助かる存在。これからも会社の将来のビジョンや覚悟を語ることで、信頼関係をつくっていきたい」と藤本氏。その思いはしっかりと伝わっている。

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▲有機溶剤リサイクルの拠点として2006年に完成した滋賀工場。蒸留精製塔は多種の有機溶剤に対応するマルチ仕様だ。

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▲研究開発には、理系の新卒社員を積極的に採用。


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大阪信用金庫CSR推進部 総合研究センター
課長代理 小阪真二氏

http://www.osaka-shinkin.co.jp/

 金庫では2003年から大阪府立大学に職員を常駐させ、産学連携コーディネーターとして取引先の技術面の支援に力を入れています。私はコーディネーターとして2年目になりますが、この間、企業と大学との橋渡し役として約150件の面接を実施し、大学との共同研究、特許取得のお手伝いをしました。経営トップの事業にかける思いをじっくり聞き、その思いの実現をお手伝いできることは大変やりがいがあります。藤本社長の事業にかける情熱は大変なもので、今回の大学との共同研究も教授に理解していただくまで、社長と何度も訪問したことを思い出します。これからもしっかりサポートしていきたいですね。

2012年08月10日
堀川化成株式会社
代表取締役  
藤本 基氏

設立/1980年

資本金/1,000万円

従業員数/42名

事業内容/ユーザーからの使用済み溶剤を再生できるかどうか分析するところから再生処理、納入まで一貫で対応する。蒸留精製と膜分離技術で「ほぼ純正品に近いところまでリサイクルが可能」という。

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