プレスリリースの作り方

【プレスリリースの作り方】自社のサービスを第三者に伝えるためにはどんな言葉を使えばいいか、考え抜いたことが副産物

2018.09.06

「メディアに取り上げてもらえるプレスリリースの作り方」vol.5
元毎日放送記者で、ラジオ報道部長なども務めた大谷邦郎氏がお届けする連載です。

プレスリリースは、お金をかけずにメディアに取り上げてもらえることから、中小企業にとってはかけがえのない“武器”です。それだけに、その特徴を知り、扱い方を学び、日々研鑽してもらいたいものです。
そこでこのコーナーでは、元・経済記者のボクがリリースをメディアに取り上げてもらえるそのポイントを、具体的事例を基に解説していきます。
さぁ、皆さんも一緒に学んでいきましょう!

「そうですね・・・3~4回、リリースは出しましたが、全部ボツでしたね」。
そう語るのは、出張片付けサービスを提供するビジューオーガナイズ株式会社の代表・三谷直子さん。今回も前回に続いて「ボツ」リリースについてです。
三谷さんは、去年の2月に産創館で開催されたプレスリリース作成のワークショップに参加されました。しかしながら、その後、出すリリース、出すリリースがことごとくボツになると言う憂き目に遭われ、講師だったボクは大いに責任を感じていたんですが、最近、彼女の肌ツヤがいい!そこで、近況を伺うと、去年の今頃と比べて今年は売上げが1.4倍に跳ね上がっていると言うではないですか。

ビジューオーガナイズ株式会社の代表・三谷直子さん(左から2番目)

事業の一つの柱である「講師養成講座」の集客が上手く回りだしているのがその要因とのことです。いやいや、当時は、会社のことをどう説明するかだけでも四苦八苦。「お片付け」がキーワードであることは間違いなかったので、その言葉を核にリリースを作っていくんですが、その頃話題であった「遺品整理」とどう違うの?「ゴミ屋敷の対処法」とどう違うの?と喧喧囂囂。毎回、会社の説明をする箇所で筆が止まります。それではプレスリリースもボツになるのも致し方ないところ。




ここに紹介しているリリースも当然、日の目を見ることはなかったんですが、三谷社長は、そんなことではへこたれません。結果だけを見れば、確かに「全滅」ではありましたが、挑戦し続けたことが、会社を強くしたのです。三谷社長は、こう振り返ります。
「一番良かったのは、スタッフの皆が、他人に伝えるためにはどう言う言葉を使わないといけないかを、懸命に考えるようになったことですね。どう言えば伝わるかを、頭を捻ることによって、言葉がドンドン鍛えられていったと思います。プレスリリースの勉強をすることによって、我々の視野が開けました。例えば、私たちスタッフはわかる、業界の人もわかる。しかし、メディアに取り上げてもらうためには、それだけではダメ。第三者に届けるためには、どういう手順を踏んでいかねばならないかを考えるようになりましたね」。

いかがですか?これがプレスリリースの大きな副産物なのです。
皆さんも、なかなかメディアに取り上げてもらえないからと、そう簡単に諦めないで下さい。必ず、得るものがあるはずです。
えっ!?「だからと言って、それで講師の責任を果たしたわけではないぞ!」ですって。はい!その通りです。皆さんのリリースが、ちゃんとメディアに取り上げてもらえるよう、小生も、粉骨砕身、奮闘努力、一意専心して参ります!
(文/大谷邦郎)

大谷 邦郎氏
1961年、大阪・堺生まれ。 1984年にMBS(株式会社毎日放送)に入社。
大半をテレビ・ラジオの経済記者として過ごし、経済番組の制作にも携わる。その後、ラジオ報道部長、宣伝部長を歴任し、「取材する側」と「取材される側」の両方を経験。そのキャリアを活かし、2016年11月に独立し 「情報発信」や「危機管理広報」などに関するセミナーやコンサルを企業や大学・自治体などで行っている。現在「グッドニュース情報発信塾・塾長」。
著書:『関西唯の人 〜仕事を楽しむ人の図鑑』(星湖舎)等

★中小企業ならではの情報発信を学んで、マスコミに情報発信しよう!
プレスリリースサポートサービス