旧態依然たるダンプ業界の変革に挑む風雲児

「ダンプ屋」。ダンプ業界の人たちは自分たちのことを自嘲気味にこう呼ぶことがあるという。

小さい頃から大好きだったダンプに乗り始め、「重たい残土を1人背中にしょってダンプを操縦する」ことにプライドを持っていた杉本氏でさえ、社会的に地位が低く見られた経験があり「ダンプ屋であることを恥ずかしいと思うことがあった」という。

20代、30代のドライバーは業界ではひよっこのようなものだ。22歳で独立した後は、親世代のライバルドライバーにも臆せずなんでも聞く姿勢で可愛がられ、残土が発生する建設現場の所在、各社の持つダンプの運行情報が一手に入ってくるようになった。

「帰りのダンプが空車なんやけど近くに現場ないやろか?」「ダンプ足りないんでよこしてもらえるか?」。情報こそが事業の種になると感じ、業者間を、そして発注者と業者をつなぐマッチングの仕事を増やしていく。

「パソコンやスマホ画面上で仕事や空車状況を見られるようにすればもっと効率的にマッチングできるし、サービスも広げられる。トラック業界ではもはや当たり前のツールをダンプ業界にも持ち込みたい」。そう考えてこのほど誕生したのがマッチングサイト「DANPOO(ダンプ―)」だ。

地図上に掘削現場やダンプの位置情報、空車情報を共有することで最適な受発注が容易にできるようになる。業界では「1日チャーター」の契約が一般的だが、「DANPOO」を活用すれば1日に違う現場を行き来して運ぶことも可能になる。

「ダンプがむだに遊ばなくなるだけでなく運搬の時間を切り売りできるようになり、限られた時間で働きたいというドライバー予備軍を呼び込むこともできる」と杉本氏。女性ドライバーの掘り起しにもつながり、人材不足の解消にもなると期待が膨らむ。

杉本氏はダンプ業界を「誇りを持って働ける業界に変えたい」と本気で考えている。今斬り込もうとしているのが、業界で常態化している過積載の問題だ。積載物の重量が測定できるはかりを独自に開発しているところだ。

業界にとって“パンドラの箱”を開けることになりかねないが、「過積載は事故を引きおこす原因になっている。命を守り、コンプライアンスを守る業界にしていくことがひいては業界のイメージ向上にもつながる」と思いを語る。

業界を変えていくきっかけにするためにも「まずDANPOOをしっかりと成功させたい」と覚悟を持って前を見据える。

代表取締役 杉本雄作氏(左)と総務 田中京子氏(右)

(取材・文/山口裕史)

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2018年02月05日
株式会社エイトライン
代表取締役  
杉本 雄作氏
事業内容/ダンプによる残土運搬

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