《講演録》社運を賭けた単品勝負戦略!〜八天堂のくりーむパンを愛され続ける商品にするまで〜【前編】


♦開業から10年で13店舗まで拡大するも、店長たちが次々に辞めていく

開業から10年足らずの間に広島市を中心として13店舗まで増やしました。そして、修行の地であった神戸三宮に14店舗となる大型店を出そうとした矢先、新店舗の店長となる社員から、突然何の相談もなく辞意を伝えられました。その彼の転職先はなんと最大のライバル店だったんです。裏切られた気持ちでいっぱいでした。

ほどなくして、既存店の店長たちも次々と辞めていきました。実はその時点ですでに業績はピークを過ぎており、赤字になっている店舗すらありました。ピーク時に入社してくれた彼らは、うちよりももっと繁盛している店で腕を磨くために去っていったのです。私は怒り心頭で辞めていった彼らを恨むばかりでした。

社員が去った一部の店舗は店を開けることができず売上げはさらに落ち、銀行には追加融資を断られ、弁護士からは民事再生をすすめられ、倒産が目前に迫りました。

 
♦どん底での痛感~会社の数値と本気で向き合っていなかった~

結局のところ、それまでの私はせいぜい損益計算書に目を通すくらいで、本気で財務諸表を見てはいませんでした。貸借対照表は何が書いてあるのかよくわからないからすぐに閉じてしまっていました。もちろんキャッシュフロー計算書なんてありません。そんなどんぶり勘定で経営がうまくいくはずなんてないんです。

どんなに高尚な目標を定めても利益が出ていないと社会に還元できません。だからといって、2~3%程度の経常利益では未来への投資ができないんです。質・量ともに高い投資と回収を連続させていくことでしか永続繁栄はできません。

あの稲盛和夫氏もおっしゃるように、経常利益10%は必要です。それも不況や業種のせいにすることなく、リーダーが自ら付加価値を創造して、利益を出せる会社にしていかなくてはなりません。

 

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2019年12月27日
株式会社八天堂
代表取締役社長  
森光 孝雅氏
事業内容/一品事業、EC事業、カフェリエ事業、海外事業

今月の町工場で働くオトコマエ

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