《講演録》キーエンスに学ぶ “高収益体質” 経営のメソッド [1]

《講演録》2019年3月25日(月) 開催
【ナレッジセミナー】キーエンスに学ぶ “高収益体質” 経営のメソッド

田尻 望氏
株式会社カクシン 代表取締役
一般社団法人Key to Innovation 理事

55.6%という驚異の利益率を誇る会社、キーエンス。平均年収2,000万円以上という異例の高待遇につながる高収益体制を生み出す秘密とは?
キーエンスに4年半勤務後独立、その後、独立直後に事業の失敗を経験し、外食系オーナー企業で1から事業立上を経験し、現在経営コンサルタントとして活躍する田尻望氏が、高収益化のキーとなるポイントを3回に分けて解き明かします。

 
>>> 高収益体制の秘密は、組織の「徹底」と「構造」

ご存知の通りキーエンスはセンサーのメーカーです。メーカー(製造業)というと通常の利益率は5%前後、利益率の高いIT企業でも20数%と言われるなかで、キーエンスは、55.6%という驚異的な数字をあげています。この高収益性が、平均年収2,000万円という高い待遇へとつながっています。

では、一体何が他社と違うのか、組織としての強みとは何か。この高収益体質について、私が独立して、他社を支援させていただく中で、キーとなっているポイントとして気づいたことを本日はお話ししたいと思います。

その中から皆様の会社の成果につながることを、ひとつでもお届けできれば、とても幸せにおもいます。

 
キーエンスの高収益体質にはキーとなるポイントがいくつかあると思っていますが、その違いをもたらしているものが、「徹底」と「構造」だと私は感じています。

この「徹底」と「構造」は、ベースとなる考え方、セールスの仕組み、組織体制、人事制度などさまざまなところで活かされています。これが高収益体質を支える原動力になっていると私は思います。

 
例えば、“ベースを作る考え方”について、「徹底」というテーマを考えてみたときに、「ありのまま」「最小の時間と人で最大の付加価値を」や「フラットな関係性」などが定着していますが、各々徹底して実施されています。

例えば、「ありのまま」は勤務時間の報告にも及び、キーエンスの管理体制として有名な、2時26分の客先訪問開始時間を2時25分や2時30分にまるめて報告しないようにする“分単位の報告”にも活かされています。

厳しすぎるように思うかもしれませんが、この1分単位の報告は、“営業戦略の分析時に実際に使われる”ため、実は後々営業全体の成果をあげるために効果を発揮しています。

こうした“厳しい管理”→“成果につながる”ようにしていることが、“徹底”を継続させている要因だと思います。

 
次に“ベースを作る考え方”を“構造”にすると「業績連動の給与体系」や「成果・アクション」などの仕組みになります。

なかでも、キーエンス特有なのが「時間チャージ」という仕組み。入社したばかりの新入社員も含めて、全社員に時間当たりの成果が決められています。

成果とは、売上げや粗利のことではありません。粗利からさらに工場や販売原価などを差し引いた純粋な仕事の成果金額。

この基準値があるから、成果が低い仕事は、アウトソースする、派遣の方にお願いするなどして、時間チャージに合わない仕事はなくし、成果をさらに上げるよう徹底して指導されています。

また、この考え方があるからこそ、高い役職の方こそ、成果が求められ、常に成長が促されています。

 
そのほか、社員としての前提条件や必須条件についても決まりがありますが、形骸化することなく、一般職の事務員を含めて全社員が取り組み、その達成度が人事評価にも反映されます。

これらのベースの考え方はごく当たり前の内容ですが、徹底度が飛びぬけて高いのがキーエンスです。

次ページ >>> 次に「構造」についてご説明します

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2019年06月14日
株式会社カクシン
代表取締役  
田尻 望氏

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