大阪市内でものづくり企業が多い区はどこでしょう?
2016年の調査によると、大阪市内の事業所数11,067のうち、トップは生野区の1,562。実は、大阪市内のものづくり産業は、淀川区と西淀川区の北西エリア、生野区と平野区の南東エリアの4区に集積しています。
この4区の全市シェアは、事業所数、従業者数、製造品出荷額等で約4割に達するほど。ただ、両エリアの規模的な特性はかなり異なり、南東エリアは小規模~零細が大半で、北西エリアは中堅~大規模の割合が相対的に多いのです。
出所:大阪市「経済センサス‐活動調査」平成24年、平成28年
他方、トレンドをみると全市的な長期低迷が続いています。
この4年間の変化を従業員規模別に分析すると、規模が小さいほど減少率が大きいことが確認でき(図の●線)、これは後継者不足の影響が大きいと推察されます。
しかし、西淀川区は零細~小規模事業所でも減少率は全般に全市よりも小さく(●線よりも■が上方に位置する傾向)、頑張っています。
すなわち、受注が確保でき、給与を支払うことができ、従業員も維持できているのです。ただし、1~3人規模に関する給与や出荷額の落ち込みは西淀川区でも例外ではなく、今後の廃業・倒産が懸念されます。
(取材・文/大阪産業創造館 徳田裕平)
大阪産業創造館 徳田裕平
建設コンサルタント会社やシンクタンクを経て、縁あって旧・大阪都市経済調査会の事務局長に就任。大阪市をどうやって元気にするかをテーマに日夜、調査・研究に励む。
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