スタッフ連載

クリエイターたちの交流と発信を促進するアトリエ&カフェ

2018.01.25

【起業家図鑑】
大阪産業創造館 スタートアップ支援チームのプランナーが月替わりで起業家を紹介する連載コラム。起業を志したキッカケや、困難に直面したとき乗り越えた方法、また事業を軌道に乗せるために必要なことなど。一歩先をいく先輩起業家の体験談をプランナー目線で紹介します。
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【起業家図鑑】vol.12 クリエイターたちの交流と発信を促進するアトリエ&カフェ

大阪は日本橋の中心、アニメやゲームを扱うショップやメイドカフェなどが並ぶ通称「オタロード」のほど近くに位置する、カフェ?アトリエ?コワーキングスペース?といった趣のちょっと個性的でかわいいお店「創作空間caféアトリエ」。

テナントビルの5階という、決して好立地ではないにもかかわらず、オープン後3カ月で、土日は行列ができるほどの人気店になっています。

お店のコンセプトは「美術部のようなカフェ」。イラスト、漫画、ハンドメイドなどの創作が大好きな人たちが自由に創作活動をできるよう、画材の持ち込みがOKだったり、店内に用意されているプロ仕様の画材の使用がOKだったりするのが特長のお店です。

そんなお店のオーナーである安田さんもイラストレーター(恐竜画家)。
「こんなカフェがあったら絶対行きたい!」を具現化するために開業までの約1年間、計画的に行動しました。

2016年12月に閃いたアトリエの構想を1月中にまとめ、若年層のイラスト作家が多く利用するTwitterでカフェのアカウントを立ち上げ、フォロワーを集める一方で、複数の仕事を掛け持ちして融資を受けるための自己資金作りに明け暮れます。

そして、融資をより確実なものにするために大阪産業創造館の「融資が必要な人のための事業計画作成講座」を受講し、日本政策金融公庫と大阪信用保証協会の協調融資で希望どおりの資金調達に成功。

また、講座の受講と並行して物件探しを進めながら、自らイラスト展を主催して成功をおさめたり、クラウドファンディングに挑戦して100万円を集めたり、開業後にもつながるファンづくりを積極的に行ってきました。

開業にあたっては、資金を節約。内装工事など自分でできないことは大工さんに依頼し、自らでできることはほぼ自身と友達に手伝ってもらうなど工夫して、予定していた資金をオーバーすることなく開業に漕ぎ着けます。

27歳という若さで、これだけきっちりと計画し、そしてそれを実行できたのは何故か?

それは、安田さんが持つ『海外へ日本のクリエイターを輸出し、海外から芸術に対する価値観や文化を輸入する』というビジョンによるところが大きいと感じます。

カフェの開業はあくまで通過点。安田さんのチャレンジは、まだ、始まったばかりです。

(取材・文/大阪産業創造館 スタートアップ支援チーム プランナー 浜田 哲史)

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創作空間caféアトリエ

代表

安田 佳那子氏

https://so-saku.com/

事業内容/「美術部のようなカフェ」の経営