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企業間で起きた商売上のトラブルを仲裁してくれる公的機関

2016.11.22

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中小企業の商品開発や海外展開の支援に取り組む元金融マンの竹内 心作がお届けする連載コラム。海外展開やインバウンド市場に進出したい方に向けて、知っておくといざという時に役立つ情報を月1で紹介します。

「そうだ 京都、行こう」言わずと知れたJR東海の名コピーである。
このフレーズの秀逸さは、誰もが日本に京都があることを知っていながら、改めてその良さに思いが至った瞬間を端的に切り取った事にあるだろう。

中小企業の海外展開を支援する公的機関の存在もよく似たものだ。あることは知られているが、忙しい日常でその良さは気づかれにくい。
本連載ではそんな公的機関にスポットを当て、「そうだ 支援機関、行こう」と一人でも多くの方に思っていただけるよう、使えるサービスや事業を解説していく。

第2回目は、一般社団法人日本商事仲裁協会を取り上げたい。

名前のとおり、企業間で起きた商売上のトラブルを仲裁してくれる公的機関だ。
裁判と異なるメリットとしては、①一審制なので解決までのスピードが早い、②非公開なので信用やブランドに傷がつかない、③仲裁人は紛争内容に専門的な知識を持つ人が担当する、など。
特に解決が難しい外国企業とのトラブルに、力を発揮してくれる。

さて、実はこの仲裁協会、もう一つ非常に役に立つ支援事業を展開している。
それが「ATAカルネ」という通関手形の発行だ。

中小企業が海外展開する第一歩として、外国の展示会に出展するケースは多い。
当然、自社商品を現地に展示するわけだが、一度参加するために何回通関手続きが必要かおわかりになるだろうか。

答えは、4回である。

商品を日本から出す時、外国に入れる時、商品を外国から持ち帰る時、日本に入れる時。なかなかに大変な作業である。
しかし、協会が発行する「ATAカルネ」を使えば、輸入税の支払い手続きや保証金の提供など、これら手続きの大部分が簡略化されるのだ。

「急がば回れ」

少しの手間を惜しんで後で苦労するよりも、国内でしっかりと手続きしておいた方が、間違いなく海外ビジネスはスムーズに運ぶ。仲裁は使わないに越したことはないが、ATAカルネはぜひ使いたい支援事業だ。

(取材・文/大阪産業創造館 マーケティング支援チーム シニアプランナー 兼 中小企業応援団事業/海外展開支援事業 統括責任者 竹内 心作)

【公的機関データ】
一般社団法人 日本商事仲裁協会
https://www.jcaa.or.jp/
大阪事務所:大阪市中央区本町橋2-8 大阪商工会議所ビル5階
TEL : 06-6944-6163

今回、紹介した一般社団法人 日本商事仲裁協会など海外展開を支援する機関の担当者が登場!
12月21日開催【パネルディスカッション】海外ビジネスに公的支援を活用しよう(リスク管理編)

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一般社団法人 日本商事仲裁協会

https://www.jcaa.or.jp/

大阪事務所:大阪市中央区本町橋2-8 大阪商工会議所ビル5階
TEL : 06-6944-6163