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【観光客に大人気】時代の変化を優しく包むオムライス

2016.06.06

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観光客で賑わう戎橋。そのほど近くに北極星の心斎橋本店はある。1950年に建てられた数寄屋造りの建物で食べられるのは、元祖オムライス。

外国人の来店が増えたのはここ2年ほどのこと。訪れた観光客の口コミで広がり、ガイドブックや情報サイトに掲載されたことから、今では外国人の比率が4割にのぼる。

外国人の急増に、まずは言語の問題が頻発した。
英語のみ併記していたメニューには、中国語やハングルも追加。「おすすめのメニューは?」「トイレはどこ?」など簡単な会話文を4ヶ国語でまとめたカードを客席に置き、指さしでコミュニケーションを取れるようにした。

古い日本建築ならではの低い梁に、頭をぶつけないための注意喚起も各国語仕様だ。また、留学生など語学に堪能なスタッフを3名増員。そのうち1人は常に稼働するようにシフトを組んで対応している。

一番人気は、月に5000食以上も出るチキンオムライス。ベジタリアンにはきのこオムライスを勧め、辛さが必要な人には香辛料を用意。「タバスコをひと瓶空けてしまいかねない強者もいて驚きました(笑)」。かねてからの国内客は、作法など文化的な違いを意識し、通す座席位置に配慮している。

客層が変わっても変えないものは、根幹となるオムライスの味。歯ごたえを残した米の炊き加減、酒と醤油を加えたケチャップ少なめのあっさりした和風の味つけ。創業以来守ってきた伝統の味は、国を超えて人々の記憶に残る。

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右:指さしでコミュニケーションが取れるようになった。
左:石灯籠やつくばいのある中庭に面し、個室や広間が並ぶ。

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▲エリア統括長兼心斎橋店長 髙間 圭二氏

(文・写真/衛藤真奈実)

北極星産業株式会社

エリア統括長兼心斎橋店長

髙間 圭二氏

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