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家業を絶対に存続させる

2016.04.05

大阪市内の研修施設で、熱心な表情で講義を聴き入っているのは、インドネシア、フィリピン、ベトナムの同族企業の経営者たち。
世界一会社が長続きするJAPANの長寿企業の家業承継文化を学ぶために来日した。

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「SANPO-YOSHI」「BANTO」「MITSUWARI(※)」・・・
観光は一切なし。5日間の短期集中研修の間、教室に飛び交うのは、原理原則を重んじる日本の長寿企業に共通するキーワードだ。

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優先されるのは、大きな会社より強い会社。急成長より存続。短期的な利益より長期的にもたらされる価値。米国の大学院で経営を学んだMBAホルダーたちにとっても、毎日が新しい発見の連続だ。

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期間中、講義が終わっても毎晩遅くまで「なぜ会社を存続させるのか」議論を重ねた親子。長寿企業を訪問した後、「不況の時に会社に残ってくれた社員がいちばんの財産だと気づかされた」と噛みしめるように語った創業社長。最終発表会で「創業者である父親の苦労を無駄にしたくない、絶対に存続させる」と、涙ながらに宣言した二代目社長。

ファミリービジネス経営者の存続への執念は万国共通だ。

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どんな国でもどんな時代も通用する「原理原則」を重んじれば、会社は存続するのか。
それを証明するのは彼らかもしれない。

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※「MITSUWARI(三ツ割)」とは・・・
事業で得た利益を三等分し、将来への投資・将来へのリスクへの貯蓄・従業員の賞与に充当する考え方。

(取材・文/山野千枝 写真/福永浩二)

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