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【ベンチャー型事業承継のススメ】ファミリービジネスが変える日本の未来

2015.12.09

【インタビュー附録】~父であり先代、嘉助氏への想い~

資料指さす星野氏
2013年に亡くなった先代、嘉助氏を偲ぶ「お別れの会」で配布した小冊子。星野氏が自ら陣頭指揮をとって作成した。

会社の歴史や故人を偲ぶ知人からのメッセージの中で、ひと際目を引くのが、社員から寄せられた約80もの抱腹絶倒の爆笑エピソード。「自分勝手で怒りっぽくて、でもチャーミング」な人柄を彷彿とさせる伝説が掲載されている。「父はおもしろい人でした。皆の楽しい思いに溢れたお別れの会にしたくて」と目を細める。

ファミリービジネスでは会社の歴史が家族の歴史。普通の父子の関係になれないのも宿命だ。世代交代で衝突して以来、父との会話は少なくなった。それでも父のエピソードを嬉しそうに楽しそうに話す星野氏は、まぎれもなく「星野家のファミリービジネスの4代目」なのだ。

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「…長く続く家業には、有利な面もあれば、苦労する面もあります。父から私への事業継承は決してスムーズなものではありませんでした。若く未熟であった私は、父の経営手法に強く反発し、父子で覇権争いを展開する時期もありました。自分が正しいと思っておりましたが、結果的に事業が今でも継続できていることは、父が長期的な視野で同族会社の良識を発揮したからなのです。同じ会社で本気で真剣に経営に取り組む時に、通常の父子の関係が犠牲となります。この23年間は、私は父に経営者として挑戦し、父も私を後継者として評価するという関係になり、元の父子に戻ることなく今日を迎えてしまいました。…」(星野氏による「ごあいさつ」より抜粋)

本2
▲星野佳路と考えるファミリービジネスマネジメント(中沢康彦 著・日経トップリーダー編)
星野氏がファミリービジネスを継いだ経営者たちと語り合いながら、活性化に必要なメソッド、ノウハウを検証する、後継社長必読の一冊。

(取材・文/Bplatz編集長 山野千枝 写真/園田昭彦)

星野リゾート

代表

星野 佳路氏

http://www.hoshinoresort.com/

「星のや」、温泉旅館「界」、リゾートホテル「リゾナーレ」など、全国35施設の宿泊施設の運営。