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スタッフ一人ひとりが演者、楽しんでもらってなんぼ!

2022.12.08

江戸時代に「天下の台所」と呼ばれた大阪。その象徴ともいえる天満市場の歴史と伝統を受け継ぐ「ぷららてんま」で今、熱い注目を集めている鮮魚店がある。株式会社カギヤが運営する「お魚屋さん かぎや」だ。

同社のルーツは、初代が創業した煮豆店。二代目が干物店に商売替えをし、三代目がそれを受け継ぎ、発展させた。そして、4年前に家業を引き継いだ現社長の鍵谷氏が鮮魚の取り扱いを開始し、現在に至る。

スーパーマーケットの隆盛や食生活の変化による「魚離れ」の影響は、鮮魚店を直撃している。そんななかで鍵谷氏は、「店は舞台、スタッフは演者、提供するのは最高のエンターテインメント」という考え方のもと、活気ある店作りや業界の活性化に取り組んでいる。

「扱う商品が変わっても、当社が一貫して受け継いできたのは『対面販売』です。対面販売とは、突き詰めると『人から買ってもらう』商売。スタッフの商品知識や人となり、接客術などが商売を左右するのです。これはまさしく、お客さま一人ひとりに応じた方法で楽しませるエンターテインメントだといえます」。

同社には、「とにかく魚を捌くことが上手」「魚の知識は誰にも負けない」など、個性豊かな「演者」が揃っている。それぞれが持ち味を発揮することで「ファン」が生まれ、商売が拡大していく。すると新たな演者を迎え入れることも可能になり、結果、新たなファンが増える。そういった好循環が生まれているのだ。

この取り組みを下支えしているのが、労働環境の整備だ。「当社の合言葉は『Enjoy Job』です。スタッフが仕事を楽しんでくれていたら、お客さんは必ず付いてきてくれる。そのためには、スタッフが安心して働ける環境が不可欠だと考えました」。鍵谷氏は社長就任後、まずは休日・休暇や給与体系などを整備した。そのかいもあって、若手スタッフが相次いで入社。現在、アルバイトも含めて合計16人の「演者」が活躍している。

個性と情熱を兼ね備えたスタッフの力を得て同社では、魚ファンを増やすためのイベントを毎月開催している。最近では、子どもが魚に親しむことを目的にして、「どじょう金魚すくい」が楽しめる縁日を開催した。また父の日に合わせて開催したイベントでは、9つの飲食店と連携。各店がオリジナルのくじら料理を開発し、提供した。この取り組みは来店者からだけでなく、飲食店や仲卸業者からも高評価を獲得。業界全体の活性化に貢献した。

代表取締役社長 鍵谷 能成氏

「魚料理に親しむことは、日本の豊かな自然や四季への理解を深めることにつながります。スタッフをはじめとした多くの仲間と協力しながらそういった日本の素晴らしさを伝えていくことが、今の大きな目標です」。

(取材・文/松本守永 写真/福永浩二)

 

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株式会社カギヤ(お魚屋さん かぎや)

代表取締役社長

鍵谷 能成氏

https://osakana-kagiya.com/

事業内容/鮮魚・水産加工品の卸売・小売