Bplatz press

200年続く老舗おこしメーカー7代目がめざすのは老舗×ベンチャーのハイブリッド型企業。

2015.12.03

―百貨店事業は?

百貨店事業は、入社当時の私にとっては優先順位が一番低かったのですが、そのツケが回って、ある時、百貨店のバイヤーから「退店してほしい」と連絡が入ったのです。いよいよお尻に火がつきました。

ただ、ありがたいことに、そこは老舗として長年築いてきた歴史と人間関係に助けられました。バイヤーから、当社商品に欠けているところ、また期待しているところなどを忌憚なく話して頂いたことで、「何としても期待を超える商品を作ろう」と奮い立ちました。

ちょうど、工場の冷蔵庫には、テーマパークで販売しているクッキーやチョコレートの材料がふんだんにありました。これらをおこしづくりのノウハウと掛け合わせてはと考え、試作を繰り返しました。そうしてできたのが、おこしを洋菓子風にアレンジした「pon pon Ja pon(ポンポンジャポン)」です。

pon pon Ja pon 店頭イメージ

開発に要した設備投資は、工場に5万円の机を置いただけ。おこしの伝統製法をそのまま活かすことができたのです。しかし、「基軸であったおこしを百貨店から撤退させるのか」、「機械を使わず手作業に頼って利益が出るのか」と不安に思う社長とは当時大きなあつれきが生じました。

とはいえ、もともと退店を迫られていたわけですから、捨て身で取り組むしかありません。もし失敗しても、それは「pon pon Ja pon」の失敗であり、あみだ池大黒のブランドは傷つきません。その覚悟ができたとたん、思い切り挑戦することができました。

マシューアンドクリスピー(2)

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株式会社あみだ池大黒

専務取締役

小林 昌平氏

http://www.daikoku.ne.jp

事業内容/1805年創業の老舗。おこしを中心に「大阪みやげ」を展開。百貨店のほか、駅、空港、テーマパークなどで販売。