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ゲンバ男子に憧れ入社した社員も育ち、さらなる高みへ

2023.10.05

11年前、先代の社長と竹中氏の2人だけだった町工場に1人飛び込んだ野瀬氏。ものづくりの世界に携わるのは初めてだったが、「同じことを二度伝えたことがない」と社長の竹中氏に言わしめるほど、素直かつどん欲な姿勢で技能を着実に身につけていった。

ゲンバ男子として取り上げられたのは8年前のことだが、その頃から比べると、取引先が増え、仕事の幅も広がった。「ステンレスを溶接して組み立てていく仕事は今も変わらないが、より早く、よりきれいに仕上げられるようにはなったと思います。今も自分が加工を手がけ、完成品に仕上げた時の達成感は何物にも代えがたい」とものづくりに携わる喜びを語る。

現在は工場長として3人の社員を率いる。自分の技能を磨くことに専念していればよかった8年前とは異なり、若手社員をどう育てていくか日々腐心している。「優しくしすぎるのも、厳しすぎるのもよくない。まだまだ答えは見つかっていません」。この8年の間には3人の子どもにも恵まれた。「以前は全く感じなかったのに、人を育てる立場になり日々ストレスを感じるようになりました」と笑いながら語る表情は、「リーダーとしての責任」という自覚が感じられた。

株式会社テクノファーム 工場長 野瀬 彰吾氏

(取材・文/山口裕史 写真/福永浩二)

社長のコメント

野瀬さんがゲンバ男子に掲載された反響は大きく、新たな取引先からも「載ってましたね」と声をかけてもらい、良い刺激になりました。何より、冊子を見て「うちで働きたい」と言ってくれた社員が今、野瀬さんと一緒に現場を支えてくれています。ありがたいことに仕事は増えていますが、人の採用には苦労しています。数年前から、工場内の冷暖房を完備しオシャレな休憩室を設け、出入口には光を通すシートを導入し、工場内を明るくしました。会社、社員の魅力を積極的に発信し、採用につなげていきたいですね。

株式会社テクノファーム 代表取締役 竹中 啓悟氏

ゲンバ男子取材当時の記事(2015年5月)
https://genbadanshi.jp/archives/5344

株式会社テクノファーム

工場長

野瀬 彰吾氏

https://www.techno-firm-petf.jp

事業内容/ステンレスの溶接加工