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独自手法で「おもしろ」魅力を訴求、応募者5倍に

2022.08.05

ディベート型トークゲームの“人狼”を取り入れた企業説明会や、二日酔い休暇制度といったユニークな取り組みを多数取り入れるトラストリング株式会社。「人狼説明会のメリットは、不安を抱える学生が楽しみながら社風などを効率的に感じられる点、企業側も面接だけではわからない学生の“素”の部分などを知ることができるところ」と、説明するのは、同社の広報や採用を担当する浦氏。同社がまだ新卒採用をやっていない時期、得意な“絵”を武器に、直接社長にアプローチして内定を得た猛者だ。自社の魅力を「枠に縛られない柔軟さや、任せてもらえる環境」と語る。人狼説明会を取り入れたことで、応募者数は約5倍に増加、今期では応募1,000名を達成し、優秀な学生たちが集まるようになった。この成功事例を横展開し、現在は「人狼合説」として、事業化している。

説明会中の様子

この新しい試み、元々は社内飲み会のゲームがきっかけだった。「当社も含め中小企業は、大手企業と競うのではなく、独自の魅力を学生に伝えることが大切。人狼は最適なツールだと考えました」と、取締役 吉川氏は導入の理由を語る。ちなみに、月一回開催される飲み会も特徴的で、事業計画として実行しているという。「内定者は入社前にアルバイトとして働いてもらうのですが、その時期にこれを任せる。すると、予算内でどのように事業を回し、忙しい先輩たちからどうやってサポートが得られるかを工夫し、いかに成功に導くか──という経験を、入社前に積むことができるのです」と、人材育成に活用しているのだ。

採用基準も「最初から巣立っていく可能性を頭に入れて採用している」と同社流を貫く。「組織にぶら下がる人はいらない。主体的に考えて行動できる人と一緒に働きたい」と吉川氏。自主的なタイプは、スピンアウトする可能性も高くなり“採用したいが、自社に残らないのではないかと躊躇する”という二律背反に陥りがちだが、「新しい企業を立ち上げたりフリーランスになったとしても、決して囲い込むようなことはしません」と言い切る。もちろん、社内で幹部になる道もひらかれている。

「会社として掲げている目標の一つが“全員年収1,000万円プレイヤーになる”こと。そのために、事業規模を拡大したり、子会社とその社長を増やしたりと、色々挑戦しているところ。“面白いかどうか”を基準にしつつ、利益の出る事業を伸ばしていきたい」と、力強く話す吉川氏。オリジナル制度を次々と立ち上げ、既に耳目を集めている同社だが、これからも異彩を放つ存在として、成長し続けるだろう。

左から取締役 吉川朝吉氏、広報 浦亜望氏

(取材・文/仲西俊光 写真/三原李恵)

トラストリング株式会社

取締役 吉川 朝吉氏、広報 浦 亜望氏

https://trustring.jp

事業内容/ECサイトに特化した独自システムの開発等