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女性がいくつになっても働ける場所をつくる

2017.10.02

代表取締役 重原 佳子氏

エステティックサロンとアイラッシュ専門店に加え、今年の春に大阪では初となる最新の3D増毛専門店をオープンさせた重原氏。

美容の世界へ飛び込んだのは専門学校卒業後。エステティックサロンでカウンセラーとして活躍するようになり「美容の仕事をする自分が好きになって。自分の居場所と思えるようになった」と振り返る。

「いずれ自分のサロンを出したい。そして、スタッフが自分らしくいられる居場所をつくりたい」と考えていたが、なかなか動けずにいた27歳の時に転機が訪れる。

お店を出す時はついていくと言っていた19歳の同僚が突然亡くなったのだ。「このまま後悔したくない」と起業を決意。父親にお金を借りて3カ月後にサロン開業を果たした。

サロン名の「グラシアス」は当時の店長が決めた。全て任せてくれた重原氏への「ありがとう」の気持ちが由来だ。

しかし、スタッフやお客様への責任感が重くのしかかり、心に余裕がなくなっていく。厳しく接しすぎてスタッフの心が離れ、4名中2名が辞めてしまいサロンを回せない状態に。

続けられないと思った時にスタッフが「カウンターがあるから夜はバーをすれば家賃が払えるのでは」と提案してくれた。「こんなに私のことを考えてくれているのに、何をやっているんだろう」とスタッフへの感謝の気持ちを思い起こし発奮。気持ちを入れ替え、スタッフとの関係が改善していくと業績も自然に伸びていった。

常に考えているのは「スタッフが自分らしくいられる環境をつくること」。アイラッシュ専門店を始めたのも、「まつげを伸ばしたい」というスタッフの気持ちがきっかけだった。当時、新しかったまつげエクステの技術を身につけることを後押しした。

新店の設計や内装もすべてスタッフに任せている。また、結婚・出産しても働けるよう、サロンに子どもを連れてくることができる体制も考えている。

自社で開発したアイラッシュトリートメントリムーバー。

その一方で、美容の仕事は年齢を重ねると体への負担も大きい。「これからも安心して働いてもらうには」と模索中に出会ったのが3D増毛だった。シニアがターゲットで、技術的にも体への負担は少ないので長く続けられる。5年~10年後の未来が見えた。

そして、エステティックサロンの1店舗を3D増毛専門店へ転換。今年10月には白髪染めと増毛をセットでできるカラーメニューも追加する予定だ。

今後は、若い女性からおばあちゃんまで喜ばれる総合美容で海外に展開することが目標。また、発展途上国の女性に総合美容の技術を身につけてもらい稼ぐ力をつけられる支援も展開していくつもりだ。

創業当時から重原氏を支える取締役の杉原氏(左)。

(取材・文/三枝ゆり 写真/福永浩二)

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株式会社GRAZIE

代表取締役

重原 佳子氏

http://grazie8.com/

事業内容/エステティックサロン・まつげエクステサロン・3D増毛術専門店の運営