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仕事の価値観を共有できる だから安心できる

2022.08.08

人生100年といわれる現代。仕事の第一線から退いた後の長い時間をいかに過ごすかは、多くのシニアにとって悩ましい問題になっている。一方、労働人口の減少に頭を悩ませる企業は、新たな戦力としてシニアに期待を寄せている。働く側にも雇用する側にもメリットをもたらすシニア人材の活用。このテーマにおいて、確かな手応えを感じて積極的に取り組んでいるのが、株式会社チェッカーワンだ。

チェッカーワンは、2021年に創業したホテルの客室清掃を主業務とする会社。必要なときに必要な部屋だけを清掃する「スポット清掃」という独自のサービスが、コロナ禍による経費節減が重要テーマとなっているホテル業界に歓迎をもって受け入れられた。

顧客の期待に着実に応え、業務を拡大するためには人材の確保は最重要とも言えるテーマだ。同社では若手はもちろんのこと、シニア、そして外国人にまで対象を広げて採用活動を行ってきた。そんな中で今年1月に出会ったのが、1人のシニアスタッフだ。当初は非正規社員としての雇用だったが、働きぶりが評価され7月からは正社員に登用、チームのマネジメントを任せることにした。このスタッフの様子に可能性を確信した同社では、今後もシニア人材の採用を推進していくことを決めた。「シニア人材の最大の魅力は安心感です。長く社会人経験を積んできた中で、仕事には責任や厳しさがともなうことを理解してくれています。だから途中で投げ出したりしません。仕事に対する価値観を共有できることは、経営者にとって非常にありがたいです」。

代表取締役 島本 整氏

一方で、「シニアは機転が効かない」とも代表取締役の島本氏は指摘する。しかし、それをマイナス点とは捉えない。「多くを望んではいけないんです。何か1つ、得意なことや向いていることを愚直に取り組んでもらうようにします。スペシャリストになってもらえばいいんです。例えば清掃チームにトイレ掃除のスペシャリストがいてくれれば、他のメンバーはトイレ以外の清掃に集中できます。結果、全体としての効率は随分上がります」。

勤務日数も同様に、逆転の考え方をする。週に1日しか勤務できない人は、「その曜日のスペシャリスト」になってもらうのだ。「私が採用の際に重視しているのは、素直さです。経験豊富な方々だからこそ、新しい仕事を覚えるには素直さが大切になります。素直さがあれば、長所・短所の比率が3対7ぐらいでも大丈夫です。短所だと思っていた7割を、逆転の発想で長所へ変えていけるからです。その人にどんな仕事が向いていて、何が得意なのかを見極めて適切な仕事や働き方を用意するのは、経営者の役割です」。

シニア人材のほかに、最近は外国人材の活用も順調に進んでいる。若者も加わり、それぞれが自分の能力を発揮しながら活躍できる会社を作ることで、清掃業界のイメージを変えていくことが島本氏の目標だ。

(取材・文/松本守永 写真/三原李恵)

株式会社チェッカーワン

代表取締役

島本 整氏

https://checkerone.com

事業内容/ホテルハウスキーピング事業、施設管理事業、清掃教育出版事業、ホテル運営委託事業