ラジコン用エンジン開発85年の職人達が突き進むその先は 無人航空機業界へ挑む開発型企業【後編】

ものづくりを愛してやまない大阪産業創造館プランナー エグチがお送りする『ものづくり』マニアックコラム。
無人航空機業界へ挑む開発型企業(後編)
今回お話をお伺いしたのは
小川精機株式会社
営業部 販促係 宮田 和雅さん(右)
営業部 営業課課長 吉田 昌史さん(左)
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【 第2回 】ラジコン用エンジン開発85年の職人達が突き進むその先は 無人航空機業界へ挑む開発型企業(前編)
「ここに星型があります。」
え、今なんて言いました?ふと吉田さんの指し示す先を見るとそこには小さな星型エンジンが。
このコラムをお読みのみなさん、この感動がわかりますか。わかりますよね!?かの有名なゼロ戦(零式艦上戦闘機)も星型14気筒エンジンを搭載していましたね。

ゼロ戦(零式艦上戦闘機)
「ここに直列もあります」

なんと、そこには直列4気筒OHVエンジンもあるではありませんか。私は舐めるように見てしまいます。
ここまでの多種多様なエンジンを開発されるのは、とてつもなく大変だったのでは……。
「やはり産みの苦しみはありますが、みんな楽しんでやっているんでね。それが強みです。趣味の世界といわれますが、逆にその業界だからこそ、新しい技術を積極的に投入できるんです。」
競技用のラジコンカーにつかわれるエンジンの排気音は、それはもう最高です」と宮田さん。本物のレースカーのエンジンはF1でも1分で18,000回転前後ですが、ラジコンでは40,000回転は回っているんです。うんうん、想像するにその甲高い音はたまりません。「11,000までしっかり回せ」ではなくて40,000回転ですか。それはあの秋名山のハチロクも敵いませんな。
小さい排気量(2.1cc)なので回転数でパワーを絞り出すんですね。くう~超高回転エンジン、シビれます!!
エンジン自体の部品の組み合わせも精密で、気密性を維持するため1つのシリンダーに対して合うピストンは1つのみ。究極の組み合わせなんですね。