一人ひとりに合ったサプリをサブスクで届ける
Webを使った簡単な質問による分析結果をもとに、一人ひとりの健康習慣に合わせて4種類のサプリメントを組み合わせ、1カ月分30袋を定期的に届けるサービスを提供している。全19種類・240通りの組み合わせというサプリメントのバリエーション、1カ月3,000円というリーズナブルな価格を可能にしているのは、母体の親会社が健康食品メーカーだからだ。
親会社の井藤漢方製薬はもともと漢方薬卸として134年前に創業。戦後、医薬品、健康食品の企画、製造へと業容を広げてきた。BtoBのみで事業を行ってきた同社がBtoCへの挑戦を掲げ、3年前に立ち上げた新規事業プロジェクトに参加していたのが堤氏と若松氏だ。
アイデアのヒントは身近なところにあった。「夫は仕事が多忙で健康に気づかう余裕もない。そんな人が手間なく簡単にセルフケアできるものがあれば、と考えた」と堤氏。そこから一人ひとりに合ったサプリをサブスクで提供するサービスを思いつき、堤氏と若松氏でアイデアを練り上げて社長に直談判、事業化へと踏み出すことになった。
だが、老舗の製薬会社にベンチャーの発想はなじみにくかった。「今までの会社にはない独自のルールを設けて物事を進めようとしてもなかなか理解が得られず苦労した」と2人は口をそろえる。そこで、新たな枠組みで事業推進を迅速にするため別会社を立ち上げることに。こだわったのは価格設定だ。「競合の価格設定は5千円~1万円。サプリは飲み続けてこそ効果を実感してもらえるので、1日100円の設定は譲れなかった」と若松氏。
分析のための質問設計にも時間をかけた。食生活、睡眠、美容、働き方などの観点から質問を考え、モニターの回答傾向から一人ひとりが抱える問題やありたい姿を探り、社内の栄養士と相談をしながら240通りのサプリの組み合わせを考えた。
10月にサービスをスタートしたばかりだが、30歳以上と想定していた顧客ターゲットに対し購入層は20代も多く、訴求方法の見直しも考えているという。「今までは商品開発を終えればそれがゴールだったのに、サービスインしてからがスタートなんだとわかった」と堤氏は言う。
2025年に開催される大阪・関西万博までには大きなビジネスに育て世界に発信したいとい目標を掲げる。「そのためには分析の精度をさらに上げ、組み合わせもさらに細分化していきたい」と堤氏。「認知が広がれば、社員の健康を考える会社の福利厚生として導入してもらえるようにも働きかけていきたい」と若松氏。苦労に直面しながらも会社からチャンスをもらい、挑む2人の表情はいきいきとしていた。
(取材・文/山口裕史)
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