シルクスクリーンTシャツで社会課題の解決をめざす

新型コロナウイルス感染症の感染拡大によってリモートワークが普及し、従業員の働き方が大きく見直されることとなった。だが、直接顔を合わせて話す機会が少なくなったせいで、コミュニケーション不足、一体感の欠如といった弊害を指摘する声も多い。そこで、株式会社I―neのVEDAINKチームが始めたプロジェクトが、リモートワーク中の社員同士の一体感を高めるためのTシャツづくり、略して「リモT」だ。

同チームでは5年前、障がい者の働く場を広げようとシルクスクリーン印刷を使ったTシャツ制作事業を立ち上げた。シルクスクリーン印刷はインクジェット印刷に比べ耐久性、発色性に優れる。ただ、色を通す部分に穴を開ける版づくりや、正確な色を出すための色の調合には根気がいる。少数スタッフでの手作業を中心としたこだわりの生産で、一日300枚が限界。「それだけに価値のあるTシャツを作っていきたい」と梅谷氏は話す。

昨春からのコロナ禍で大きな影響を受けたのがVEDAINKユーザーの中心でもあるライブハウスやミュージシャンだった。そこで、チャリティTシャツを作り、売上利益の全てをライブハウスに寄付するプロジェクトを始めたところ大きな反響を呼んだ。Tシャツを通じ社会課題の解決につながる手応えを得たスタッフが次に考えたのが「リモT」。「社内でオンライン会議の画面上に映ったTシャツの話題で盛り上がったことがヒントになった」という。社内で新商品のスローガンを入れたTシャツを作り、メンバー同士オンライン会議の様子を動画に編集し、PR用に発信するなどして、徐々に顧客を増やしていった。

企業ロゴを胸に印刷したいというケースでも、どのくらいの大きさでどこに印刷するか綿密に打ち合わせをして、仕上げていく。チーム内で一体感を醸成することができたから社員全員に配りたいと追加発注されたこともあった。他にもスローガンなどを胸に印刷するケースもあるという。市内で変わり種野菜を販売する八百屋さんからは新装開店する店の内装のデザインからサポートし、併せてTシャツやパーカー、野菜を入れるトートバッグへのロゴ印刷も手がけるなど、さまざまな提案へと事業が派生している。
現在、手作業による版づくりについては障がい者施設に委託も増やしつつある。「その時々の社会課題に常にアンテナを張りながら、シルクスクリーン印刷を使ったTシャツでどのように関わっていけるかを考えていきたい」と話している。

●VEDAINKプロモーション動画
– Remote Work T-shirts Project.「T-シャツ1枚で、広がるコミュニーションがそこにはある」

(取材・文/山口裕史 写真/福永浩二)

2021年11月18日
株式会社I―ne
ブランディング本部コミュニケーション戦略部VEDAINKチームコミュニティチーフ  
梅谷隼人氏
事業内容/「BOTANIST」やミニマル美容家電ブランド「SALONIA」など 化粧品、美容家電等の美容関連商品や販売店の企画開発、運営、製造及び販売。

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