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ストレス度合いを見える化し、心の病の予防につなげる

2021.01.15

(公財)日本生産性本部が2019年に実施した「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査によると、直近3年間で「心の病」が「増加傾向」にある企業は32%に上った。

仕事に打ち込めるのは健全な心身が伴ってこそ。今や企業にとってメンタルヘルス(心の健康)対策は重要なテーマだ。
だが心の病は本人でさえ気づきにくいところがあり予防につなげる対策が取りにくい。

そうした課題と向き合ってE-GAOがサービス提供しているのがメンタルヘルス血液検査技術だ。

 

同社の血液検査サービスは健康診断と同時に実施可能だ。

 
人はストレスを受けると細胞中に特殊な酵素が増え、それが引き金となってさまざまな反応物質を誘発する。これらの物質量を測定し、ストレス度合いを数値化して見える化する仕組みだ。

開発者である精神科医で大阪大学教授の関山敦生氏は「ストレスを抱え込むと体の強い人はうつ病になり、弱い人は胃潰瘍を起こす。大事なことはそうなる前に客観的な数字で状態を把握し、予防のための対策を取ること」と指摘する。

 
この技術を普及させるだけでなく、サポートメニューの提供も含めたメンタルヘルス対策を事業化していくには投資を呼び込めるベンチャーを立ち上げる必要があると関山氏はかねてから考えていた。

そこで旧知の一橋大学ビジネススクール、阿久津聡教授に相談したところ、その事業に興味を持ったのが阿久津教授のもとで学んでいた同大学院生の勝村氏だった。

「もともと組織におけるモチベーションの研究をしており、その前提として社員の心身が健康であることが重要で、それが生産性の向上にもつながれば企業に貢献できると考えた」と勝村氏。こうしてE-GAOは2017年12月に創業した。

 
ターゲットとする企業に対しては社員のストレス度合いを測定し、一定以上の数値が出ている社員に対しては保健師、管理栄養士、健康運動指導士などがかかわり、行動変容と継続を促す。

ストレスチェックという言葉だとネガティブなイメージで受け取られるため「元気度チェック」と名前を変えるなど、企業が受け入れやすいやり方にも工夫を凝らす。

ある企業への取り組みでは対象者の6割が行動変容につながるなど効果を実証しつつある。

 
この検査の基盤技術は精神疾患だけでなく、認知症や生活習慣病といった他疾患への応用も可能だという。

関山氏は「医療従事者側からは言いにくいことですが、世の中から病気をなくしたい。これが事業の究極の目的です」ときっぱり。
E-GAOのGAOには「社会に対してまっとうなことを吠える」という意味も込められている。

 

代表取締役 勝村史昭氏

 
(取材・文/山口裕史)

 

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◎E-GAOの詳しいページは↓コチラ↓
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株式会社E-GAO

代表取締役

勝村 史昭氏

https://e-gao.jp/

事業内容/血液検査サービスならびに検査結果に基づく状態改善を目的とした支援サービスの提供